第374話 養生とスポーツ効果
- 2016/08/31
- 00:07

太極を含む中国古代の養生術は、人体の内面的なパワーのバランスを大切に維持する学問です。人間の体は一定レベルの運動をしなければ、色々な病気に蝕まれることは今日の医学の研究でわかっております。逆に、日進月歩の医学研究では、過度の運動やスポーツが体に害をもたらす結果も判明しています。人間の体は、その長い間の進化によってかなり敏感になり、なんだかの形で使い過ぎたらボロが出来る結果はスポーツの界隈で知られて...
第373話 武術の共通点
- 2016/08/30
- 00:01

数人の武術の先生との交流の中で、自然とこの問題に触れてしまいますが、私たちの共通するところは、我々が武術の共通点を探ろうとする時に必ずどこから軽々しい一言が突っ込んできます。「武術?どこも一緒。太極拳?どこも一緒。」まあ、これはどこの分野も似ていますね。若い頃の私はカメラメーカーの販売で大手量販店の店頭に立つことがありました。一部の販売員のトークも全く同じものです。「カメラ?どこも一緒。」ところで...
第372話 用法か勁路か
- 2016/08/29
- 10:22

武術であれば、当然のように用法がなければ成り立ちません。用法とは戦う相手をなんとかすることです。これは、武人であれば、誰もが同じ答えを出すはずです。勁路について語る者は少ないです。個人的には勁路の習得の難しさに心が折れそうな時もあったのですが、この年になって少しは神経がづっ太くなったことがせめての助けです。当然、勁路を語っても合理的な修練をしていなければ、決して理解できないです。そして、勁路に習得...
第371話 突くか付き合うか
- 2016/08/28
- 01:32

打撃等の行為は日本語で突きと言う場合が多いです。しかし、一瞬の突きは一長一短で矛盾性に満ちていることも武術の常識です。打撃は当然、止めることも逃げることも、かわすことも可能です。そして、打撃は瞬発力や持久力が必要。逆に打撃をされると瞬発力は勿論、一定の機能的な条件反射も必要です。よって、打撃中心の武術は当然のようにいつか年齢の限界が来ます。こうなれば、人間は当然。戦う相手の欠点や隙に迫ることを考え...
第370話 自由度の習得
- 2016/08/27
- 01:04

昨日の論点は攻防のいずれもはっきりした外観的な動きであるべきではなく、相手に攻か防かをできる限り知らせない自身の身体状態の習得とのことです。言い換えれば、人体の自由度の習得です。人体の各関節と部品は脳の支配で動かされています。一般的に申すと攻と防は脳の支配下で行なわれているものです。脳の指令がなければ、体は基本的に動かないでしょう。太極は他の武術と違い、あくまでも人の動きと同様に動く武術であります...
第369話 攻防隠蔽の試み
- 2016/08/26
- 01:51

おそらく、私がブログを書き始めてからはじめて、ひとつの言葉をかなり推敲をしましたが、結果として難しい言葉を避け、分かりやすい説明をすることにしました。武術であれば、攻と防が必ず存在します。太極拳なら発勁があり、化もありますが、呉式太極拳は柔化してできないとの誤解もありますが、実際に発勁もあります。ただ、発勁の勁路が柔らかいだけです。ところで、太極勁路の理想と言えば、すべての動きに中に攻と防の感覚が...
第368話 一寸先
- 2016/08/25
- 00:02

日本語で一寸先と言ったら僅かな寸法の変化と説きますが、実際のところでは、一寸はそんなに細かい寸法の変化ではないです。日本語で申す「一寸先は闇」はもしかして、寸法がまだ、一尺一寸しかない頃の諺ではないかと感じております。ところで、私の専門である太極拳は一ミクロ単位で感覚が変わりますし、次の一ミクロで何かの欠点や隙が出る気配があれば、上級者ならその前の一ミクロで予測し対応をしはじめます。もちろん、この...
第367話 創痍か養生か
- 2016/08/24
- 11:02

中国文化を分析するためには、どうしても日本語と中国語の言葉が混ざります。日本語で申す養生という言葉をはじめて伺ったのが、学生の時に三日間だけお手伝いした建築現場でした。もちろん、人間の体に関する言葉ではありません。逆に中国語では、人体に関する修正になります。しかし、今日の日本国太極拳の界隈では、養生は誰もが人体に対する言葉として認識するようになったと思います。ところで、日本語では創痍という言葉があ...
第366話 定式かプロセスか
- 2016/08/23
- 11:08

美を競い合うスポーツは当然、美しい造形が問われます。武術で見栄を切ることなどでの表現なら、明らかな攻撃の的になります。武術は、一つひとつの打撃を重んじることと終始の動きのプロセスの両立が必要です。外家拳は打撃が比較的に多いことに対して、内家拳は動き全体のプロセスを大切にする流派は多いです。先日のレッスンで弟子の一人が四正推手の四つ動きの位置を確認したところで、私が彼の誤解を感じて指摘をしました。四...
第365話 完成
- 2016/08/22
- 11:53

人間界では、何事も完成がないのが常識です。丁度、リオ五輪は本日で終了しますが、採点の是々非々はまったくないとは言えないでしょう。民族間の理不尽なこともありました。採点に関する不平不満はいつの時代もありましたね。速さや重さで勝負する種目はまだいくらか文句が少ないようです。人体を使ってのすべての動きはいつの時代もいかなる場合も完成ができないものです。今日の私の研究会では、太極修練をする目的はそれぞれ違...