第394話 結果として
- 2016/09/20
- 10:24

「以慢打快」と「以柔克剛」を語ったのちは当然、これを実現するには何が必要かと結果を求めます。私達の体をこの状態へ持っていくには、太極の基本拳法を正しく練習を続けるしかないです。基本太極拳法をまともに練習もせずに、太極推手を「以慢打快」と「以柔克剛」との本来あるべき状態には到達できません。そして、「以慢打快」と「以柔克剛」との状態は私達太極門の子孫にとっても同様に簡単ではないはずです。私も含めてです...
第393話 軽さと柔さ
- 2016/09/19
- 13:13

太極のもう一つの特徴といえば、軽い動きですが、たとえ発勁があっても軽さが非常に大切です。これは、太極が表演スポーツになっても軽やかな動きは高得点を得る不可欠な条件になります。ところで、武術としての太極は何故、全身の軽さを要求するのでしょうか。太極と言う武術が自分自身の隙と断点をできる限り相手に見せないことと、相手の動きの中の同様の欠点を感知することの両立です。こうなると根本的な内面の柔らかさからの...
第392話 速さ
- 2016/09/18
- 01:28

中国武術では「唯快不破」と言う原則があります。しかし、太極の基本では「以慢打快」が最も有名です。ただ、ゆっくりした落ち着いた動きで速い動きで攻める相手の欠点を捉えていくプロセスは正直に申すと簡単ではありません。武の哲学は基本的にどの国もどの流派も同様で、一定の正確な修行を経ていけば、「以慢打快」の境地へたどり着くことは可能です。今日まで、私は一部の日本武道の修行者が太極の「以慢打快」原理にかなり近...
第391話 内勁とは
- 2016/09/17
- 00:02

大概の中国武術がなんだかの形で内勁と繋がっています。今日では日本武道の多くも内勁を研究するところが多く、太極拳などを取り入れる道場もかなり多いようです。しかし、内勁とはどのようなものだろうかと定義づけをするならば、なかなかまとまらないことが事実です。わかりやすく言えば、世界の色々な武術武道の教室では内勁についての説明がじつにバラバラです。私はブログで内勁を何度も説明してまいりましたが、内勁の説明は...
第390話 太極の付き合い方
- 2016/09/16
- 12:08

何度にわたって太極の用法などを語っておりました。太極の一つの動作は一つのプロセスであり、それには限りない用法が含まれています。よって、太極の用法は長い間の推手練習にで限りない動きの中の用法を習得してからではないと、もっと複雑な太極拳トーロの用法が理解できることになります。中国武術の不動の規則ですが、どの武術も一つの動作が複数の用法があります。太極は最も変化が多い用法を誇っています。沢山の変化の習得...
第389話 不知天上宮闕、今夕是何年
- 2016/09/15
- 01:23

師公、地上を旅する呉式太極拳をお顧みください本日は中国の二大祭りとも言われる中秋です。中秋を描く名句と言ったら、中国早朝の著名詩人である蘇軾の水調歌頭の右に出る詩はないと確信しております。明月幾時有,把酒問青天。不知天上宮闕,今夕是何年。我欲乘風歸去,又恐瓊樓玉宇,高處不勝寒。起舞弄清影,何似在人間。轉朱閣,低綺戶,照無眠。不應有恨,何事長向別時圓。人有悲歡離合,月有陰晴圓缺,此事古難全。但願人長...
第388話 と言われても・・・
- 2016/09/14
- 01:05

これは、本日の太極拳教室の練習の中で、一人の会員さんより頂戴した言葉であります。私はいつものように皆様にトーロや武器の練習をした後に、推手練習に移ったのです。近頃では、太極門の家の中で行われていた喂勁と修正の稽古が行われています。喂勁をして急に修正をした時に、会員さんを軽く触っただけで体が浮いてしまったのですが、私が相手の隙と同じように動くとこのような浮きになると説明すると、と言われても・・・との...
第387話 逆来順受
- 2016/09/13
- 01:22

太極が大体、どのようなものを語ってからは、太極の基本中の基本を語るのが自然でしょう。逆来順受は太極拳論が言及した言葉であり、今日では世界の色々な太極拳教室で引用されています。私はできる限り、逆来順受の本当の意味合いを解釈してみたいと思います。若い頃の私は、逆来順受を訓練する為に、色々な他の武術と手合いを試みていました。逆来順受は本来、相手のいかなる手においても決して逆らわないでかのな限りこれについ...
第386話 太極はどんなもの?
- 2016/09/12
- 01:03

何度かこの話題に触れたのですが、もちろん、これを語れば、本1冊でも書ける位ですが、徐々に語っていくことで参ります。本日は、攻めと化の軌跡を語ってみたいと思います。一般的に申すと、武術の攻めなら当然、速ければ素早く相手に到達するのですが、太極は違って、徐々に相手の隙に入り、その軌跡は直線のようですが実はかなり大きなカーブになっています。こうすれば、攻撃された者の体がその軌跡を直線だと認識してしまい、...
第385話 太極剣の話
- 2016/09/10
- 23:10

近頃は太極の勁路について随分語ってまいりました。当然、勁路というプロセスは太極のすべてであり、太極の基本を守らないで適当に解釈すると武術面にしても健康面にしても何の益もないはずです。ところで、中国武術のいずれも武器のトーロがあります。中国古代の武器の代表といえば、剣です。剣は携帯が便利で重くもなく、両面の刃で使い方も色々の為、多くの人間が剣を使っていました。今日では、武術用の剣は基本的に刃がありま...