第404話 善と仁
- 2016/09/30
- 01:06

道教では、人間が一定の悟りを得た段階で、自然に人に善意を施すように勧められています。当然、道教では何事においても自然状態を大切にしていますね。私が感じていることですが、善においては、自然に善意を施さないと、その善意もきっと人様に伝わりません。しかし、仁は善意から発するものもあれば、善意がまったくない人間も仁義に満ちるケースがあります。善がその人の心の一種に現れだとすれば、仁は心の現れの可能があって...
第403話 そうすれば鼓蕩
- 2016/09/29
- 00:25

昨日の二通りの隙と断点がなんとか勝っていれば、一瞬に相手を浮かせることが可能です。これが世界の色々な太極拳教室が宣伝のスロガンとして使われている「鼓蕩」という言葉です。わがままのようですが、この「鼓蕩」という奴はそんなに簡単に身につくものではありません。これに対する一般的な反応は「難しい」一言ですが、私はこれが太極の最も上級の勁路をあかしていない為きっと、多くの方がこれを太極の最も基本的で簡単な注...
第402話 二通りの隙と断点
- 2016/09/28
- 00:25

昨日に続き太極の隙と断点を語ってまいります。太極の隙と断点は二通りで語ることが可能ですが、それは自分自身の内面的な断点と、手合いの中での隙と断点になります。人間は弓歩と虚歩の極めで最も問題を起こしやすいです。言い換えれば、隙と断点が出やすいです。わかりやすく言えば、弓と虚の極めで骨盤は相手の攻めや色々なテクニックにより止まってしまうことがありますが、その際、腰椎が完全に自由状態になっていれば断点が...
第401話 蠕動の連続
- 2016/09/27
- 14:13

今回も人間の体を語って参ります。西洋の医学実験で人間をできる限り動かないように立ってもらい、高速ビデオカメラで撮影しそれを低速で見ると、人間は常に重心を取る為に蠕動のような動きをしていることが判明されています。その他の動物のほとんども、棒のように立っていることはありえないです。亀のような動物が足と頭が甲羅に収まっている状態でしたら、ほぼ固体のような存在になりますが、人間はそのような動物とは違います...
第400話 人体の可動範囲
- 2016/09/26
- 12:14

武術や武道は基本的に人間の体を生かしての動きになります。当然、武術なら人体がどこからどこまで動けるかの研究も不可欠です。いかなる人体の可動範囲を超える動きも体を壊すことになります。この世では実際に武術を使って戦うことは少なく、人間が武術を練習していることは武術が持つ人体哲学への憧れがほとんどかと思います。私も同様です。しかし、人間の体はかなりの限界があることは人類歴史の中で色々な分野の研究で知られ...
第399話 正論
- 2016/09/25
- 00:48

この世の中では、人間様の色々な考えによって正論も相対的なことになってしまいます。もちろん、誰もが自分自身の理論が正論だと言わないと生計が立たないでしょう。資本主義国家のメリットとも腐敗とも言えるのが人間と商売の自由化です。一部の敏感な分野は国家試験があって、当然、国家資格が付き物ですが、国によっても国家資格の範疇がかなり差があります。正論であるか否かは、その追随者の満足度で決まります。本当の正論は...
第398話 ラーメンの啓示
- 2016/09/24
- 00:14

現在のブログの前のブログにもラーメンを書いていましたが、世界でも日本人ほどにラーメン好きな民族はいないことで、私はいつも、ラーメンより色々な啓示を頂いております。私が住んでいる地元はおそらく、東京都の中でも最も田舎町だと感じています。例え、奥多摩でももう少し進んでいるような気がします。このように田舎町に住んでいる私は十数年も同じ町に住むと私も地元の色々な稼業を営む方々と交流するようになります。地元...
第397話 登多景楼
- 2016/09/23
- 00:34

紀元後1188年、中国は宋朝の淳熙十五年との年号の頃に、著名改革派詩人の陳亮の《念奴娇·登多景楼》は実に多くの政治家や思想家を泣かせました。中国の東晋と南宋の二つの時代はかなり似ています。この二つの時代での中国はともに、北方の強敵に攻め込まれては揚子江の南へ逃げ込んで首都を移る様です。危楼还望,叹此意,今古几人曾会?鬼设神施,浑认作、天限南疆北界。一水横陈,连岗三面,做出争雄势。六朝何事,只成门户私计?...
第396話 太極の虚
- 2016/09/22
- 00:55

今日の世界のどの太極拳も虚の領域には至っていないような気がします。もちろん、当派も同じです。はっきりした直線の動きやスピーディな動作による推手はいかにも流行っていることはこれを語っています。昨今、私は教室の推手練習で「喂勁と修正」を行っていますが、これは実際に太極の虚の境地に関連しています。喂勁の中では、直線にかなり近い進路で相手には直線との認識をさせた上での僅かなカーブによる虚の境地は、正確な内...
第395話 役割分担
- 2016/09/21
- 00:43

同じ組織の中でそれぞれの長所を生かしての役割分担は本当に素晴らしいです。私は太極拳を学んだ頃では、本日の写真の二人が分担して教えてくれました。呉英華師太は慢架、乾坤剣、七星剣、双剣、太極刀、二十四槍などでした。馬岳梁師公は快架、連環剣、推手、気功、十三槍、その他の槍、粘杆、その他のトーロでした。本当に羨ましい限りですね、二人のおぼ同等レベルの人間がそれぞれの得意分野を教えられることは、学ぶ者も本当...