第435話 妨げ
- 2016/10/31
- 14:33

太極の妨げといったらまずは色々な貪欲と言えますでしょうが、人生も本当はこのようなものです。私たちは色々なものが欲しがる為に日夜を問わず働くことは、今日の近代社会では当たり前でしょう。日本国の個人事業主は基本的に年中無休です。先日、私は久しぶりに日本人の夫婦でレストランを経営している二人を訪ねていて、年間の休日を伺ったらお正月の5日間のみだそうです。話を伺っていくと、調理場に立っていないと非常に落ち...
第434話 十年もかかるのか?
- 2016/10/30
- 19:17

太極修練者は色々な癖を修正することで体が理想状態に徐々に近付きます。これは当然、人によっても大分違います。それぞれの社会経験や職歴、個性や武術経験が人体修正を大きく左右するはずです。過言を遡り、中国の太極のピークである晩清時代から今日に至るまで、社会の動乱もあって、太極拳やその他の中国武術はどれ程の秘伝を失われたのかを思うと、本当に心痛の限りです。自画自賛で申し訳ございません。わたくしは自分自身が...
第433話 ギリギリまで
- 2016/10/29
- 21:47

何回に分けて、生き方と太極修練の関連性を語って参りましたが、実際の太極勁の上級者がどのような人格と人間像で最上級の勁路に迫ったのかを解明することは、多くの太極拳愛好者も興味深々のはずです。太極もその他の体の感覚の武術に似ていて、体のすべての部分が使われるのが望ましいです。しかも、太極の場合はすべての体の部品がほぼ同じように動き、目立った速度の差もなく、それぞれの動きの方角の差もないならば、自分自身...
第432話 個性の微調整
- 2016/10/28
- 16:15

日本語の諺では、人間の個性をこのように申しています。「三つ子の魂は百迄」。これは人間の個性があまり簡単に変えられるものではないことを主張する固定概念になります。次にわたくしの母国語を紹介させていただきます。「三歳看八歳、八歳定終身」。まあ、日本国の固定概念より少々緩いようですね。しかし、人間の個性がなかなか変えられない固定概念は日本人とほとんど変わらない気がします。現在、日中は互に永遠のライバルで...
第431話 難念的経
- 2016/10/27
- 10:12

これは故郷上海の言い回しです。「家家有本難念的経」は、どこの家も他所さまの家では考えられない諸事情があるとのことです。私は自国以外の海外と言ったら旅行を含めても日本しかありません。カンセラーの資格のおかげでイタリア人やスペーイン人、東南アジアの方々の話を聞く機会がありました。もちろん、日本国は私にとって、母国中国よりも長く住んできた国であり、多くの方とのお付き合いの中では、世界のどの国よりも沢山の...
第430話 生き方
- 2016/10/26
- 11:38

これは誰もが避けられない人生のテーマです。本来なら、一般的な見解からすると人間の生き方なんかは、太極を第一テーマとする私達が語るべきものではないでしょうが、古代中国の道教から生まれた武術ということもあって、生き方と武術の関連性はかつてではかなり研究されていました。今日では、この私も近代社会の先進国で生きていることがあって、様々な太極修練を妨げる誘惑はなかなか避けられません。皆様と無私の分かち合いを...
第429話 永遠に実現できない丁度いい
- 2016/10/25
- 12:32

私が太極拳教室を経営して以来、できる限りブログを続けてきております。当然、これは自分自身の太極論や教え方のアピールになります。でも、さすがに毎日のように書いていくと重複もあり、太極は日々、進行していくものもあって、同じ内容のブログも実質では深度が違うはずです。今後のブログの方向性ですが、時々、本日の記事のように一つの結論を皆様に提供すればと考えております。人間はいかなる場合でも一定の論説を求めては...
第428話 消極的な動きではなく
- 2016/10/24
- 23:53

太極は積極的に動くものではないことを説明すれば、きっと色々な誤解が起きるのでしょうが、実際に太極拳教室を三年ほどに続けている中で私は徐々に皆様に太極の勁路を示して参りました。当然、一般的な太極を教える人間と違って、私は推手練習の中で可能な限り学ぶ方々にギリギリまで攻めていただくことにしております。しかし、学ぶ者がこのようなことをすると当然、推手では簡単に負けてしまいますね。私はこうして推手を教えな...
第427話 積極的ではない太極勁
- 2016/10/23
- 20:52

太極拳は勁路による勝負であることは、私は何年にも渡って語ったきました。しかし、太極拳の勁はあまり積極的に体を動かすものではありません。もはや、できる限り人様の動きに合わせていくものであります。太極の解釈では、自分自身の勝手な動きで相手に従われてしまえば、自ら重心を失ってしまうことになります。逆に、相手の勝手な動きを感じるには、自分自身がかなりの密度で相手の動きについていける体の状態が大前提になりま...
第426話 具体的な棚勁
- 2016/10/22
- 23:38

私が解釈する棚勁は今日の世界の色々な太極拳教室の解釈とまったく違うことは、おそらく、皆様に知られています。棚勁の一番見えるのは、太極拳練習の中で体のすべてのパーツがほぼ同じ速度で動いていることと、腰椎が限りなく自由であることになります。これはかなり難しい状態であり、多くの方が体の一部分に力を込めることを「棚」と理解するのもわからなくもありません。もう少しわかりやすく考えてみますと、ほとんどの方が推...