第635話 不先不後,迎送相当
- 2017/05/21
- 00:00

太極の上級状態では、相手の色々な動向を感じて、丁度いいようについていくのですが、当家の言い方は「不顶丢」、または、「捨己従人」とも言います。しかし、ただ、相手の動きに手を被せていけばよいとは違います。私は研究会をはじめてからは一度も他所様の太極拳教室を偵察したことがないですし、一度も偵察を送ったことがありませんが、全くの一般人としての頃は、日本国の太極拳のレベルを知る為に何度か東京都のいくつの太極...
第634話 肌肤骨節 処処開張
- 2017/05/20
- 01:13

この太極への説明はもちろん、流派によってのたとえ話も違ってきますが、言っていること自体は当流派が道教に逆戻りして教わった内容とほとんど変わりません。太極は結果として、体のすべての皮膚や筋肉、すべての関節がすべて開かれている状態であればベストです。しかしここで、いろいろな誤解も起きています。何もしなければ、ただ、頭だけ体が緩んでいくと意念をかけても、体が開くことになりません。人類の体の硬直はもう既に...
第633話 神以知来 智以藏往
- 2017/05/19
- 01:13

これは、不変の太極状態を言っています。心が静かであれば体全体の緩みの質が上がり、相手の攻めのきっかけや方向性が予知できます。性格の特徴をはっきりしなければ、人間は心身の知恵が生まれ、天地万物を包容することに至ります。これほどに太極は一つの状態である説明は他にないでしょう。丹田への意念云々とか、基本拳の用法云々とか、いかに身体能力を向上させる云々は一切、言及していません。道教が考えている健康というも...
第632話 準備運動?
- 2017/05/18
- 00:17

できる限り民主主義的な研究会をしているつもりです。研究会の方、ネットで知り合った方のご質問は可能な限りお答えしております。本当に面白いことですが、研究会四年間で受けた一番多いご質問はなんと、「準備運動」になっています。研究会で数年も一緒に練習している会員さんならば、当研究会の練習では、まったく練習前の準備運動をしていないことで慣れているはずです。もちろん、ごく一部分の勝手に動く方を除き、今日までの...
第631話 九折羊腸 不可稍譲
- 2017/05/17
- 12:00

太極拳論の中でこれほどに誤解しているところは他にないと思います。もともと、「九折羊腸」は人間の奥底、または人間のかなり狭いところのことを指します。人間の体による格闘は確かに、一寸先が闇でどんなに細かいところでも触られたら終わりです。一般的に、格闘技としての武術は基本的に、自分自身の細かいところが攻められないように相手に間合いを与えないか、体の位置を入れ替えて大きな間合いを作って相手の攻めをかわすか...
第630話 沿路缠绵 静運無慌
- 2017/05/16
- 12:32

缠绵、日本語では一般的に、情緒の深くて離れにくいさまと解釈しています。日本語にも「纏綿たる」という漢語があるようです。昨日は伝統空手にことが詳しい弟子に色々聞いたところでは、沖縄伝統空手の中の「夫婦手」は一種の技ではなく、一種の状態であることを確認しました。私はこれで少し興奮していましたね。世の中では、一種の感覚、一種の状態である武術が太極だけではないようです。太極拳論が言っている「沿路缠绵」はも...
第629話 絶妙霊境 難以言伝
- 2017/05/15
- 10:56

この中国語ならば、少しでも中国語や漢文を勉強されている日本人であれば、その意味はきっとわかりますね。私はブログを書く際、できる限り日本人も理解できる漢字を使っております。この言葉で陳鑫先師が申し上げている絶妙な境地は当然、太極の無限の用法と高度な自分自身の身体度合いの統合のことです。二チャンネルで繰り広がれているこの私の悪口は、多くの方の言葉で申すように、これは日本での「勲章」であることはこの頃に...
第628話 渾然無迹,妙手空空
- 2017/05/14
- 00:01

これは、どの流派の太極拳論であることは誰もが知っているはずです。昨今、日本も中国もネットでは自分自身の流派を宣伝する為に、他の流派をけがすことも日常茶飯事ですが、私からすると、他の流派の太極拳論は我々が主張している拳論もほとんど同じです。本日のテーマで申し上げていることは、太極修練を一定レベルに達していたら、体が動く時も止まる時も、どの状態であっても渾然一体状態が保たれることになります。そして、そ...
第627話 千古一日 至理循環
- 2017/05/13
- 00:54

こう考えてみると、どの流派も同じ原理どころか、同じ哲理と申した方がもっと適切です。太極修練者は千年の昔から、今日と変わらないように、毎日が同じように体を動かしているだけです。孫氏太極剣雲師父が曰く、「初代禄堂公」は起きている間にずっと太極拳の練習をしていたようです。当家鑑泉公も就寝の時と食事の時を除き、常に体を動いていた話は幼い頃から伺っていました。先輩の皆は決まってこのように話しますが、今日の人...
第626話 盈虚有象 出入無方
- 2017/05/12
- 02:41

盈虚は道教用語であり、一般的には虚実による変化と解きます。哲学者の庄子が書かれた《秋水》で、「盈虚」を使われています。察乎盈虚,故得而不喜,失而不忧:知分之无常也近代文ではおそらく、このように解きます。世の物事はいつも虚実が変化しています。よって、これを詳しく調べても面白くないです。何かを得ても嬉しくないし、失っても悲しくないです。世の得失は永遠ではないです。このように、世のすべての出来事や物事が...