第1249話 懂勁の理解度
- 2019/01/21
- 14:00

はっきり言って、太極の懂勁はいつになっても相対的な話になります。大概、一番最初の懂勁は頂、匾、丢、抗が目立たなくなったところです。太極の練習は結果として自身が相手からの抵抗を体の複数の可動部分で受け止める喜びを感じる時期が訪れ、この段階では、自身の体の細かさが足りないこともあって、推手練習では高度の勁を理解しようとする体の反応が出て来ます。原文夫未懂勁之先、常出頂、匾、丢、抗之病。既懂勁之後、恐出...
第1248話 太極空结挫揉論
- 2019/01/20
- 08:16

本日の太極の使い方も、人間の体の密度から来るものです。武術としての動きが人に当たっていない状態では空と言います。人に当たっている状態が結と言います。挫は衝撃的な当たり方です。揉はソフトな当たり方です。原文有挫空、挫結、有揉空、揉結之辨。挫空者則力隅矣!挫結者則気断矣。揉空者則力分矣。揉結者則気隅矣。若結揉挫則気力反、空揉挫則力気敗。結挫揉則力盛於気、力在气上矣。空挫揉則気盛於力、気過力不及矣。挫結...
第1247話 太極補泻気力解
- 2019/01/19
- 01:33

人間は、どの状態で力が増えて、どの状態で力が無くしてしまうのか、古代中国では人間の力の源は内面的な充実さから来るものとして研究を続けていたこともあって、当然のように気の増減も最優先に考えることになります。原文補泻気力於自己難、補泻気力於人亦難。補自己者、知覚功亏則補、運動功過則泻、所以、求諸已不易也。補於人者、気過則補之、力過則泻之、此勝彼敗、所由然也。気過或泻、力過或補、其理虽亦然、其有詳夫過補...
第1246話 然非自己功夫久者、無能貫通焉
- 2019/01/18
- 12:21

王宗岳伝太極拳論の中では、節膜、拿脉、抓筋、閉穴の太極勁が残されています。(技ではない)つまり、筋膜をずらすこと、脈を曲げること、筋を伸ばすこと、ツボの働きを止めることです。これは先日にも言及していました。太極の技らしいものは、皆様がご存知の太極拳の用法と丸っ切り異なる存在であることは、数年間のわたくしの記事をご覧になった方はもうこれほどの違和感がないはずです。原文対待之功、既得尺寸分毫於手、則可...
第1245話 太極の用法
- 2019/01/17
- 11:27

本日のテーマをご覧になった瞬間にきっと、多くの方が興奮すると思いますが、おそらく、読み終わった頃にはがっかりされると思います。何故かと言うと、昔の太極拳論は、一発が来たらどう返すか、一発が来たらどうかわすかという形式上の太極拳用法などは言っていないからです。原文挫、揉、捶、打(於己於人)。按、摩、推、拿(於己於人)。開、合、昇、降(於己於人)、此十二字皆用手也。解釈上記の十二字は自己用功と推手のど...
第1244話 非得点传不可
- 2019/01/16
- 12:00

このようなことを書くと何故か、この約6年間の研究会の色々なことを思い出します。最初の頃は弟子の一人が私を捌こうとして全力で来たのですが、いきなり内勁を喰らって呼吸ができなくなったことがあります。まあ、なんとか内部の詰まらせたところを通させていたら、普通に戻りました。人間の内部を詰まらせたりするのが一定の全身の骨が自由に使える状態ではないといけませんが、太極勁で軽く浮かされていたら、うん百万ならば、...
第1243話 対待着数也
- 2019/01/15
- 11:23

太極は最初に「展開」、又は中国の地方によって、「開展」から練習すべきだと言われています。しかし、どの状態が「開展」であるかは多分、それぞれの「太極拳教室」の解釈は異なります。もちろん、今日のわたくしならばこのような太極拳の現状に何も驚いておりません。太極門嫡伝の秘伝は一般的に家族以外の者には伝わらないはずです。たとえ伝えても毎日のように練習を積み重ねて、毎日のように切磋琢磨して体での理解を図らなけ...
第1242話 行気於筋脉、用力於皮骨
- 2019/01/14
- 12:31

気というものの説明はかなり悩ましいものです。それは、前の世紀の80年代前半、中国という国で沢山の気功師が誕生しました。言っていることはそれぞれ異なり、この状態はおそらく今日まで続いて来ています。気について、どの説に傾けるのは言論の自由度が非常に高い日本国においては、ここの自由に任せるしかありませんが、楊氏老譜は中国600年の間に受け継がれてきたことは、私は真理として説明して参る所存でございます。原文、...
第1241話 消長盈虚
- 2019/01/13
- 01:30

楊氏老譜はここで、著名詩人蘇轍の詩を引用していますね。逝者如斯、而未尝往也。盈虚者如彼、而卒莫消長也。人間の体の状態も月と同様、新月から満月へと循環して参ります。誰一人も体のかなりよい状態をずっとキープ出来るわけではなく、誰もが体の状態がずっとどん底状態とは言えません。原文血為营、気為衛。血流行於肉、膜、絡。気流行於骨、筋、脉。筋、甲为骨之馀。髪、毛为血之馀。血旺則髪毛盛、気足則筋甲壮。故血気之勇...
第1240話 涵養知多少
- 2019/01/12
- 01:57

古代の太極拳論は多くの異なる武術の基本も言及していましたが、私見では、当時の太極の専門家達はいかにも体を徹底的に研究したからです。私は今日になって、一部の非常にご謙遜な日本武道の専門家より体の使い方を聞かれておりますが、私もいつのまにかここは日本である事をついつい忘れてしまい、日々のブログでも本来ならば、正しい体の動き方のみを申せばいいのに、余計なお世話で他所様の正しくない動きもついつい言及してし...