第1011話 健康を得たのか
- 2018/05/28
- 10:05

この世では色々な商売があります。中にも健康を得られることでお金をいただく商売がかなり儲かっているようです。医者の職務は、病気を直して人間を一定レベルまで戻すとでも言いましょうか。古代の中国では養生術という学問がありました。太極拳も一定レベルの正確度で練習すると、養生術にかなり近い状態になれます。当然、太極拳も武術の一種です。しかし、太極拳は他のどの武術とも違うものであり、逆に太極拳を他の武術や武道として解釈すれば本来の養生効果も武術効果もなくなってしまいます。
太極拳を長く練習している者は確かにほとんど病気をしないですが、例外もあります。私は確かに20数年前から病気で熱を出してしまうことがありませんでした。例え、内臓が厳しい問題を起こしたにしても熱を出したりはしていませんでした。昨年の秋に一日で10数度も気温が一気に下がって、私は天気予報を見ずに夏の服装で出かけてしまい、気管支炎症を起こしてしまったのですが、それでも、懸命に太極拳を練習していたら熱は出ませんでした。しかし昨日、20数年の熱なし記録も昨日の午後で途絶えました。特に自身の体をこき使ったわけではないし、特別に体を冷やしてしまったこともなかったです。ストレスのレベルもいつもとほとんど変わらないですが、何故、体が急に崩れたのかは自分自身もわかりません。人間の健康維持は本当にどれほどに大変かはわかりますね。

人の武術が相対的なものだと言われています。そして、人間の健康を維持することは本当に難しいです。少しでもそれぞれの年齢に似合う健康状態に近いならば、これほどに嬉しいことがありますでしょうか。私が手伝わせていただいている北海道中国武術倶楽部では、「太極のある生活」、または、「生涯現役」などのスローガンを掲げています。当然、できれば武術を練習することでなるべく怪我をしないような武術理論が必要です。私は今後もできれば、担当している選手に伝統太極拳による養生効果を提供して参ります。
先週土曜日の熱、私は自分自身に対する警鐘だと思っています。正直に申しますと人間はずっと、健康維持できていれば体の機能も落ちません。人間はもっと長生きできるはずです。人間は寿命がある限り、決して絶対的な健康維持が出来たとは言えません。相対的な健康維持も簡単なことではありません。私は今後、適当に健康維持を道場のスローガンにしたくありません。健康維持は専門家のわたくしが常に会員さんの状態を把握した上での懸命にしていなければ、私の判断が正しくなければ、会員さんの努力がなければ、健康効果は簡単に訪れることがあり得ません。
世には健康維持ほどに難しいことがありません。相対的な健康維持できていない太極拳や養生術も失格で、武術効果はその後の話だと思います。
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