第1067話 纏と裹
- 2018/07/23
- 07:47

纏という漢字は中国語では簡化字になり、一般的には「缠」になります。裹は日本語も中国語も同じ書き方になります。中国語では日本と中国の関係を「一衣带水」と言っていますが、まさにその通りですね。昔の中国人は一本の紐の太さで狭さを申しています。一衣帯は、一本の衣を縛る紐のことです。狭い川の両側のような隣国関係です。それもそうですね。私は以前に一度だけ上海から大阪の関空までの飛行機を利用したことがあります。あっという間でしたね。飛行機の給食は本当に慌ただしいです。もちろん、私は羽田へ移動しなければならないので、関空から伊丹までのバスがかなり長かった気がします。
纏、中国語では色々な意味があります。プラスのイメージあれば、マイナスの意味もあります。
例文をあげてみましょう。
「缠绵的爱情」
ねっばりとした恋愛関係のことです。
「他缠着我不放」
彼は私付き纏っている。
一般的に二つの物体がかなり近い位置付けのことでは中国語は缠と言いますね。呉式太極推手の手法の中にも「纏」の手法があります。体のパーツを近付かせることによって相手を緊張させることが一番初歩的な使い方です。
裹は中国語の中でも色々な意味がありますね。包むこと、衣服としても使えます。
太極勁から現れる用法ならば包む感覚がほとんどですが、一枚の衣のように全身の皮が全体的に繋がっている状態で相手の断点と隙に捨己従人で連絡できるならば、相当レベルの高い者でしょうね。
共産中国の初代最高領袖で政治家、詩人の毛沢東はかなり色々な中国語の言葉を駆使して激動的な詩を書いていました。
本日は毛沢東の「沁园春 雪」を分かち合ってみます。
北国风光,千里冰封,万里雪飘。
望长城内外,惟余莽莽;大河上下,顿失滔滔。
山舞银蛇,原驰蜡象,欲与天公试比高。
须晴日,看红装素裹,分外妖娆。
江山如此多娇,引无数英雄竞折腰。
惜秦皇汉武,略输文采;唐宗宋祖,稍逊风骚。
一代天骄,成吉思汗,只识弯弓射大雕。
俱往矣,数风流人物,还看今朝。
…看红装素裹…は雪景色を描いています。紅の装いはおそらく紅梅、素裹は雪景色のことです。
詩人は美しい風景と近代化による発展を心より願っていましたね。毛沢東がなくなって40年以上立ちました。中国も今日では凄い発展が成し遂げました。多くの政治家や企業家のデスクの後にこの詩を飾っているようです。
须晴日,看红装素裹,分外妖娆…これはどれほどの美しい風景なのかは一度、冬の北海道の朝で拝見したことがあります。一面の銀世界の東に朝日がゆっくり登ってくる絶景は中国の詩人の多くを魅了したように、私もできれば、時間が許すならばこのような絶景を撮影してみたいですね。
中国語の言葉は一定の決められている意味があります。武術用語だからこそ適当に翻訳すべきではありません。
これは、商売用語も同様です。


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