第1068話 時代の産物
- 2018/07/24
- 10:07

呉式太極拳研究会を立ち上げて5年あまり、中国太極門の意念をかけないことが一般的に知られるようになったのですが、1980年代初頭に中国もやっとの事で民間武術や気功が急に流行るようになり、経済発展と職業の自由化は多くの分野で人々は簡単にお金を手に入れることが出来るようなったと、これは今でも深く記憶に残っています。民間のレストランを経営する者は半年で富豪になり、貯めたお金では何とか海外に留学でも行って、皿洗いでも2年間頑張れば中国国内で一生涯でも暮らせる程の財産が得られると夢を見ていました。海外で出稼ぎに来ている者は直ぐに帰国したケースもあれば、ずっと海外に残っている者もおります。私みたいに国際結婚をした人間は今日の中国が海外おような感覚しかありません。
我々は、皿洗いは当然経験していました。一部の人間は大手企業も経験したことがあります。当時の中国人は今日のように簡単に大手企業で働けるとは限りません。当時の中国人留学生は学歴が低い者が多く、釣果滞在をする者がほとんどでした。在留ビザを持つ者も生計を立てる為には何でもやりますね。中華料理は世界を巻き込むように流行っていましたが、日本では中華料理を含む多くの個人経営のレストランがFC業に潰されてきました。日本国は著名元総理の考えで規制緩和し、非正規労働者がかなり増えたことで社会的な不安が増し、個人事業がかなり増えたことはどの分野も変わりません。
正確に申すと我々は中国の当時の1980年代初頭の経済自由化の延長線上にありますね。実際、資本主義が高度に発展すれば、拝金主義も当然のように台頭します。しかし、武侠小説を読んだだけで武術教室を開いた人間の理論はただ、不当に会員からお金を奪い、人々の健康状態を破壊しているだけです。私がまだ上海に住む頃、公園で色々な太極拳を練習している者がいつか海外で太極拳を教えたいと堂々と話していました。彼らに言わせれば、外人は本物の太極、本物の気功かどうかはわからないだろうと多くの人が何も遠慮せずに普通に喋っていました。正直に申すと私は日本に来てからあまり太極拳教室を積極的に考えなかったのもこれが原因です。この人達と競争しなければならないと考えるだけで本当に嫌になりますね。五年前に呉式太極拳研究会を立ち上げたのは、もうこれ以上にふざけた太極拳や気功を看過できなくなったことが原因でした。当然、多くの偽物と熾烈な競争をしなければなりませんが、この世に自身を売り込みには、自身のことを偽物だ言う人がいないですね。
事実、今日の世界で展開している様々なわけがわからない中国伝統武術は1980年代前半の中国改革開放による歪な産物です。かなり多くのふざけた中国武術の中で正統派武術教室を経営して生きていくのは、世界のどの国においても大変です。これはもはや今日の中国国内も同様です。
私の教室では現在、親友の正統派形意拳と兼ねて練習している方が数人もおりますが、武術の基本が出来ていることでかなり教えやすいです。人間の体を動かすことは本来ならば、一つの基本しかないはずですが、武術のことがまったく理解できない者が適当に解釈するならば、その理論も本末転倒ばっかりです。
私は、当研究会の呉式太極拳と兼ねて練習していてもよい武術ととうではない武術をはっきりと決めております。悪からずご理解くださるようお願い申し上げます。


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