第1070話 意念という状態
- 2018/07/26
- 12:01

今日では、武術が意念がないといけないくらいに色々と語られていますが、実際に、高速で戦っている中では意念を身体にどう伝えるのかを考える余裕があろうかと、これは少しでも格闘の経験がおありの方ならば話しは簡単に通じますね。
太極は基本的に自分から攻撃をすることをしないのが基本ですが、今日の中国国内の色々な総合格闘技で太極と名乗っている者が多く、その動きを拝見しても太極に連想できるほどの内容ではありません。制定太極拳に体操やフィギュアスケートの動作を入れて、新しい種目が生まれるくらいですので、自ら攻撃をする格闘太極が生まれても仕方がありません。これが、私達が感じている今日のいわゆる伝統太極拳や伝統中国武術です。まあ、正直に申すと今日の世界では制定も伝統もほぼ同じことをやっていますね。
人間の体は、自然状態を維持できれば一番速い動きが出来ます。それは、東洋も西洋も同様です。逆に人間は脳の意念がなければ当然のように生命がないはずですが、太極が申す意念をかけないことは脳の意念が無くすのではなく、脳の色々な雑念で体を束縛させないことを指します。脳が静かになって入れば、体がもっと自由で素早くして、様々な攻撃に対応できるようになります。
もちろん、その前に人間は、人と格闘をする前に自身の健康を維持するのは本当に至難の技ですね。ペットの犬や猫は長くても20年くらいですが、それでも、20年の間にはペットが病むと飼い主は心配して病院に連れて行くわけですが、今日では人生が100年と言われる中で、心身とも健康であることが誰も望むはずです。
事実、人間の一つの動きを脳の司令から少しでも離れる傾向はあまり簡単ではありません。わかりやすく言えば、人間の通常の動きが少しでも体の反射に近い状態になることはかなり困難です。筋肉の動きと反射の動きの速度の差は医学でも検証されていると伺っています。当流派の考えはこうです。脳は自然に体に繋がっていて、脳はできる限り体をコントロールしないことが大切です。
脳が必要以上に体を支配しようとするならば、人体が脳の思いに答えるかどうかは、脳の指令がいかなるものかによるものです。無理に体に指令を送れば、体が答えられなくなることも起きます。気功を練習して、夜が眠れなくなったり、幻視や幻聴が繰り返しするならば、武術どころか健康を損なうことにもなりますので、控えるべきですね。
多くの方が健康で、武術の進歩も実現するよう、心より願っています。


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