第1127話 足裏と大地の間合い
- 2018/09/21
- 11:31

日本武道がおっしゃるには、人と人の体の間には間合いがあるようですが、これに関しては世界の沢山の武人も同様に感じているようです。打撃をメインとする武術は当然、どのように人に迫りそしてその距離でどのように人の返す攻撃が自身に当たらなくすることように次の間合いを作っていくべきでしょう。例えば、手で攻撃すると同時に体も大きく曲がって軸がぶれているのならば、その人は素人同然だと私は思います。
格闘技のどれも人様との間に距離がなければ技が繰り出せないことは物理学の原理であり、数千年の間に不動の哲理としてかたり続かれています。中国や東アジアでは色々な古伝武術があり、それは、人とほとんど距離がない状態で距離を作っていくものです。当然、余計な動きは一切なく、願わくは人様との間に距離が現れれば、人間は基本的に攻防ができるはずです。
人間の脳だったら研究をすれば、体の一箇所だけで相手との距離を作ってしまうのならばそれはただの体の隙であること位はわかるはずです。こうなれば、どの武術や武道の流派も体全体を使って相手との間合いを作るべきだと主張しています。ですので、太極拳だと名乗って殴り合いのように太極拳の用法を練習している伝統武術屋の神経がわかりませんね。
私も多くの方と同様に人との間合い、人との攻防が一瞬に切り替えられる動きは体のすべての部品で完成すべきだと思います。もちろん、これは学生や弟子の皆様にも常に話し続けております。そして、弟子の皆は見事に、先生、理屈はわかると表明していますね。まあ、私の理屈は他の多くの研究を重ねている先生の誰も語っているはずです。体全体で間合いを作ることは人間の体であれば誰でも大変です。おそらく、皆様が心配しているのは理屈がどう体に染み込むかの問題しかありませんね。
あえて申しますと、体全体で間合いを作るのならば、体のパーツ同士の間合いが大切です。しかも、体のパーツ同士のそれぞれの間合いが大きさや柔らかさが統一していなければ、いとも簡単に人に攻撃されてしまいますね。
逆に体のパーツ同士が徹底したそれぞれの間合いの統合が得ていれば、その時に人間は足裏と大地の間にも間合いが生まれます。こういう武術家の体を触るだけで浮かされることがありますね。理屈を申しますとそれは、戦う相手と接する時に最も遠いところで間合いを作っているので、攻防が切り返されてもまったく理解できなくて敗れ去ってしまいます。
当研究会でこれらの体の作り方を懸命にお教えしています。当然、このようになる体の訓練はかなりの時間がかかるはずです。そして、実は健康のための太極拳も私はこの足裏と大地の間の間合いの練習がよいだとおすすめしています。もちろん、この足裏と大地の間合いへの到達というよりもそれに向かっての訓練は健康そのものです。
太極は元々、永遠に完成が有り得ないものです。


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