第1129話 只知其然、而不知其所以然
- 2018/09/23
- 07:16

本日の言葉は《庄子·秋水》から選んだ言葉です。
今予動吾天機、而不知其所以然…
然は一般的にこうである様子を表しています。
本日の「 只知其然、而不知其所以然」は、結果が見えていても、どうしてこのような結果が出てくるのだろうかわからないことを申します。
近代の中国では、物事の表ヅラしか理解出来ず、物事の本質や出来事の根底にある見え難い素晴らしさが確認できない人間のことを指します。
当然、太極拳の練習がほとんどしない人間は太極勁を一つの動作として理解してしまうのも本日の言い回しの通りになります。
私はかつて、二人の師匠がいましたが、今日ではほとんど師事をしていない人間でも流派を立ち上げては武術や武道を教えてしまいます。中には拝師はしていなくても自身で人に拝師をさせて大連盟まで作ってしまい、ご本人もまったく「所以然」がわかっていないにもかかわらず、かなり多くの「所以然」がわからない人を作り出していることはもはや世界各国同様です。
まあ、世界のどの国も現在の所では基本的に武術や武道はしっかりした免許制度がありませんので、武術武道を一種の娯楽として、または人々の楽しみとして教えている場合もかなり多いです。当然、こうなると別に「然」も「所以然」も必要がないかもしれません。ただ、体を動かして美しく見せたり、一定の筋力を作っていくのならば、そこには当然のように体操と筋トレの「所以然」しかありえないです。武術的な「所以然」もほとんど理解していないのに、美と筋トレの世界で間違った武術的な理屈を自分自身で練習するのも他人に教えていくのもいずれ、その被害が広がります。
少々、脱線してしまいますが、先般の日本国の文学者や作曲家の方々との会食会で次の日本国の年号はどうなるのだろうかで色々な方々と少々賭けて参りました。ちなみに私の予想はこうです。
現在の日本国の年号は中国前漢の「史記」より、内平外成という四字熟語からいただいたと言われていますが、私は次の年号はもしかして「庄子」の著作から取るのではないかと予測しています。
今日の世界では、日本や中国を含む各分野では結果を求めてしまうことが多いですが、これからの人間は世界の長い間に渡る景気の低迷を乗り越える為には結果だけではなく、結果に辿り着くまでの本質的なこともチェックせねばならぬ時代が来るはずです。物事と出来事の本質的な部分のちぇっくによって、世界のどの国も固定観念が自然に消滅していきます。
新しい年号が日本国に新たな物事の見方をもたらすよう心より願っております。


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