第1133話 人生を考える
- 2018/09/27
- 13:56

あまり深く考えたことがないと言えばそうかもしれませんが、私の人生観は生涯現役、と言うよりもおそらくそうしなければ老後は無理ではないかと思います。要するに、わたくしが来日にてからは日本国の景気が悪くなる一方でしかも運が悪く、飛び込んだ大手会社は破綻。大卒でさえ就職はあまり簡単ではない時代では一定年齢を有する再就職の人間は誰も厳しいです。わたくしは企業の破綻でかつて学生時代とほぼ変わらないアルバイトもかなりさせていただきました。まあ、生活の為です。
私が上陸した頃の日本はまだ外国人の存在が珍しく、企業が外国人を雇うのもかなり少なかったのですが、今日では能力と学歴、一定の人間関係が保てる人間であれば、この国では国籍を問わずして就職は可能になってきました。当然、私のような年齢と学歴では清掃やレストランの皿洗い、工場での部品運びや物流の仕分けなど体力労働しかありません。もしも、体力がないと判断されればその仕事をつづくことも不可能です。こうなれば、私は幸いにも太極を続けていることを呉式太極拳の呉英華師と馬岳梁師に感謝すべきです。中秋の名月は過ぎたばっかりですが、その中国の秋の祭りは生きている家族と亡くなった家族を思う出す日であり、私はおそらく誰よりも自身の二人の師匠を思い出さないわけにはいかないのです。
思い起こすと私は来日して後、日本語と学業の為にしばらくは祖国へ帰ることがありませんでした。来日して4年経った所で故郷である上海に帰郷して、師匠の二人にあった時は互いに込み上げて来るものがあり、二人の師は何度も私に日本国での太極拳教室を展開することの可能性を聴きました。しかし、当時の私のは日本国で中国武術教室を経営は競合いがかなり厳しいことを理由にして、ほぼ不可能との返答をしました。当然、二人の師は私に企業勤めと太極拳の練習を忘れずにとしか言えませんでしたね。まあ、あの二人は当時、どれほどにがっかりさせてしまったのだろうかと思うと、私は今日でもかなりの深い悲しみに包まれてしまうこともしばしあります。
師の二人は呉式太極拳の三代目として、そして、中国太極門五大流派の責任者として、中国と世界に我が文化遺産を伝えていく意気込みは今日になって、私はやっと少々理解できるようになりました。そして、私は結果的に自身の棲家として日本を選んでおります。
一方、中国という国では太極のみならず、ほぼすべての中国武術、または武術とまったく関係ない伝統文化の分野で多くの素晴らしいものが失い掛けています。私見ですが、これは西洋文化と近代技術の発展により、伝統文化に対する解釈も近代化が進み、古代と言うごまかしが効かない各領域の解釈がどんどん消えていくでしょう。これはかつての二人の師もかなり心配しておりましたが、非常に残念で悲しい限りのことですが、若い頃の私はこれについての理解はかなり足りませんでした。
日本国は、能や歌舞伎などの文化遺産はかなり守られているのですが、何故か日本武道全般に渡りごまかしの分野がかなり現れています。先日、とある沖縄武道家と名乗る人より、沖縄拳法は打撃がすべてだとの見解を示されたのですが、私は多くの沖縄拳法の専門家に伺ったところでは、その見解は正しいとは言えないことがわかりましたね。
古代文化をごまかして理解することは祖国と自身への冒涜になると私達は思います。
生涯をかけて、古代のごまかしが効かない太極や日中の文化への理解と、皆様の手伝いをいたします。


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