第1134話 伝統太極と柔軟のバランス
- 2018/09/28
- 09:26

人は誰でも若い頃が柔らかくて、老い骨になると当然のように体全体が硬くなってしまいます。これは今日の近代医学も、四千年前の老子道徳経も同じことを言っています。
近代では、科学がどれ程に発展したのかはこの時代遅れの私が申し上げるものではなく、それこそ中国古代の偉大な詩人が描かれていた神話や古代ギリシャ神話のほとんどが実現してきましたね。我々は小型飛行機などを操っていれば、人類も本当に簡単に空を飛ぶ夢が向こう数年に実現できそうです。
しかし、近代社会の技術の進歩がどれ程に著しくても、人間の能がどれ程に進化して、多くの神話を実現させたにしても、我々の人間の体自体がどれほどに進化するのかと言うと、成人病の率が年々上がることや過労から来る心身の様々な生涯という結果が目立ってしまうことしかないような気がします。時代が進めれば進める程、人々が疲れてしまいます。昨今の中国では誠に遺憾ですが、自身の体をごまかすための麻薬吸引や覚醒剤の服用までしても心身の疲れから逃れたい者が大勢いるようです。
そこで、人間の体の根本的な進化がどれほどに大切かは誰でもお分りですね。本日からほぼ二日間に渡り、北海道中国武術倶楽部の皆様に少しでも人体の柔らかさの総合的なバランスについて、説明して参ります。人間の柔らかさのバランスはかなり得難いものであって、それを一旦、得たところでは体全体で年をとってもかなり若者や子供のような柔らかさを維持することができます。
当然、これはあの人の足がどれ程高く上げられるのかとか、あの人はどれ程に腰が反れるのかの問題ではなく、一人の人間の前身がほぼ同レベルの柔らかさが持てることの訓練法になります。
これは具体的に申すと、太極に関する人間の体の正しく理屈に合った動きが大切です。太極拳の専門用語からすると「進退顧眄定、四正四偶」になります。当然、この十三種類の動作は一定の本来の正確度がなければ、いつになってもただ、体が適当に動いているだけの話になり、それで何かの内勁を得るとか、懸命練習しても体が益々衰弱に向かって<各関節や各部品の硬化が進むことは避けられないと思います。
人間の体の一部分を伸ばすのはあまり難しくありません。体全体の統一された一定の柔らかさのみが太極効果に繋がります。


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