第1197話 それでも負けない
- 2018/11/30
- 12:40

先日のブログでも私は、第一党や一党独裁政権の元での大団体の有様に言及しておりましたが、私自身も考えてみると昔ではちょっとした地方の政治家と仲が宜しかったらので、その先生はかなりの便宜を計ってくださいましたね。まあ、権力を握っていれば何でもできると、少なくとも私が知っている中国はこの状態でした。もちろん、今日の中国は私にとっては本当に外国のような存在に過ぎませんね。
日本国ならば、例えば、個人で大団体や大グループと裁判でもやってしまえば、ほとんどのケースが個人が負けてしまいます。まして、例えば第一党がバックにいる団体と法廷で争えば、負けは決まっていることになりますね。まあ、採点の不公平とか、実力のない人間がトップで出鱈目に指揮している位のことならば、疑問を感じて質問をしてもきっと、無視されますね。
そうすると、中小武術クラブは、大団体は白い目で見ていなくても、政治の 力によって、国全体のほとんどの需要が大団体にかなりの割合で吸収されれば、個人の武術屋の経営は当然困難でしょう。私の母国である中国では各公園でかなりの大音量で太極拳の音楽が流され、当然、これは中国の政党がバックにいて、国レベルで推薦しているからです。
逆に、昨今の中国では上流階級がかなり増えており、富裕層の中では月謝の安さで争う教室には何故か信憑性が無くなり、割高の民間太極拳教室や伝統太極拳教室、太極家元の弟子になると年間単位でかなりの高額な料金が支払いされてきます。たとえ、年間数回しか練習しに来ていなくてもその高額の月謝が支払いしています。まあ、お金が困っていないからでしょうかね。そして、自分自身のための太極ならば、表演系の所謂套路は無意味だとの固定観念を持たれているのが中国人です。
日本だと、商売の勝ち負けの前に、最も多くの方が精力的に力を注がれている制定太極拳がまだかなりレベルが低いこともあって、本当に懸命に練習されている若い方々が頂くべき点数を得られていません。それでも、多くの若者がめげずに懸命に練習していますね。
私にとってはこれほどに感動するもとがないです。人間、特に若者は何かの実感と何かの結果が得られないのならば、一つの趣味や一つの学びごととして続けられるのがかなり困難です。
私がこれほどの遠い道のりで北海道に来ているのは他ではなく、この地では結果を問わずに懸命に練習を続け、どんなにひどい点数を食らっても、それは関係なく我々はただ練習していくのみだと、これほどの素晴らしい人間力は世界範囲で見ても少ないですね。
昨日は、北海道中国武術倶楽部ではじめて、呉式太極拳研究会の教授資格を授与致しました。めでたしめでたし。


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