第1255話 太極の手の形
- 2019/01/27
- 09:38

昨日は多くの方よりお誕生日のメッセージをいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて皆様にあつく御礼を申し上げたいと存じます。
一般的に日本では太極拳の練習をしている際に、掌が自然に曲がっていないと手が硬いとも言われています。これはおそらく伝統とかと名乗っているところもあまり変わらない気がしますね。もちろん、私は研究会を立ち上げてからは一度も他所様の太極拳教室に MRしたことがありませんのでなんとも言えませんが…実際のところ、太極拳の掌の時は力まずに伸ばすことが大事です。当然、指も掌もです。誤解の始まりはおそらく、かつて太極拳が民間で流行り出したところ年寄りの太極拳家ならば、自然の掌を伸ばしてもなんとなく曲がっている状態がただ真似されているだけの話ではなかったのかと率直に感じています。(裏付けのない話で誠に申し訳ございません)
原文
自指下之腕上、里者為掌、五指之首為之手、五指皆为指。五指権里、其背為捶。如其用者、按、推掌也。拿、揉、抓、閉、俱用指也。挫、摩、手也。打、捶也。夫捶有搬欄、有指裆、有肘底、有撇身、四捶之外、有復捶。
解釈
手の使い方の根本が理解できなければ、掌の状態も理解できません。手の形はこうなります。指と手首の間にあるのが太極拳では掌と言います。これは日本語ではほとんど抵触がないはずです。指先は太極では手になります。指5本はいずれも指と言います。指を握っている状態で、その手の甲は捶です。手はこう使います。按は、押していくものです。もちろん、掌が出てくるのが望ましいです。拿、揉、抓、閉の手法はどれも指の使い方です。挫、摩は指先の使い方です。太極で言う打は指が曲がっている状態での手の甲の使い方になります。太極は搬欄、指裆、肘底、撇身の捶があります。他には、両手の捶があります。
話は違って来ますが、一般的に打撃的な武術で力が手のどの部分で力を出すかとの解釈がありますが、太極の打と言っても実質、打をしたのが手や足ではなく、人間の体の中で最も大きい骨である骨盤が一つひとつの関節でリレーして体の末端に自然に伝わることになります。そうすると体のどこも打を素早く行うことが可能です。もちろん、太極は内勁による動きですので、体のどの部分も打と化を同時に行えるのが「懂勁」になります。もしも、太極の力が具体的にどの部分であるかと説明すれば、力は骨の真ん中で伝わると言った方がよいかと思います。太極はなるべく骨を使って、筋肉を使わない訓練です。勘違いしないよう注意しましょう。

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