第1257話 知之易而用之難
- 2019/01/29
- 12:17

近頃は一部の信頼出来る方に呉式太極拳の秘伝套路を見せたりしております。当然、これは太極の最も神秘的なことであって、最上級のものは一定レベルの内勁に至っていないとまったく意味がないことを説明しています。そして、懂勁が一定レベルに達した者は決して太極の理屈がわかるとは言えなくなります。太極は用法を申し上げても、その内面的なものがなければ決して使えないものであります。それが、本日のテーマです。
原文
然指有五指、有五指之用。首指為手仍為指、故又名手指。其一、用之為旋指、旋手。其二、用之為根指、根手。其三、用之為弓指、弓手。其四、用之為中合指中合手。四手指之外、為独指、独手也。食指為卞指、為剑指、為佐指、為粘指。中指為心指、為合指、為鈎指、為抹指。無名指為全指、為环指、為代指、為扣指。小指為帮指、為补指、為媚指、為挂指。若此之名、知之易而用之難、得口訣秘法亦不易为也。
解釈
人間は五本の指があって、それぞれの役割が決まっています。
親指は手と指の絡めであり、太極では別名手指と言っています。一、旋指と旋手(指だけの回転、指と掌同時に行う回転)の用法。二、根指と根手として使います。(すべての指の動きの根本と手の動きの根本)三、弓指と弓手で使います。(太極は拳を握る際に親指が基本的に曲がっていて、その位置も決まっています。)四、中合指と中合手。(一部の散手の為の親指の使い方)他にもいくつの親指の独特な使い方が存在しています。
人差し指は下指、剣指、佐指、粘指との使い方があります。拳の親指の下の指、剣のように人のツボを狙う指、鈎指の際の補佐的な指、太極粘勁の主導的な指と認識してください。
中指は心指、合指、鈎指と抹指になります。脳の指令が伝わる主たる指、開合の合の際の指の使い方、鈎手の際に親指と軽く触り合う指、軽く触る勁路の時の指です。
薬指は全指、環指、代指と扣指になります。補助的な存在、剣指の輪、拳を握った時の中指の代わりと、人の関節を捉える際に親指と共同での作業の役割があります。
小指は帮指、補指、媚指、挂指。扣指の補助であり、剣指の輪の補助、拳では握らない存在であり、纏絲勁の際の内勁を使う指であります。
基本的に、太極は時間をかけての内勁の訓練になります。人間の内面的な状態はたとえ、多くの秘訣を知っていても練習しなければ無に等しいです。

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