第1278話 腰椎の自動
- 2019/02/19
- 11:58

本日の自動は自ら動くとの意味合いになります。いわば、腰椎は両手の振りによる牽引がなければ、上半身の筋肉の緊張による牽引もないまま、腰椎のそれぞれの関節は液体のように流れていて、自然に回転や上昇する動作が出来るようになります。これは、太極の理想です。
話しが急に変わりますが、昨今の中国のネットでは色々なテーマの太極記事が多量に出回っています。明らかにコピーしているものもありますね。実際にこのような貼り合わせた記事が世界中に蔓延し、日本国にも類似の状態になりつつあります。だが、太極の状態はいくらコピーされても、正しい訓練法や継続していく度胸がなければ、自身の体の状態になることはとうてい不可能です。
わたくしが申し上げている「腰椎の自動」は、一種の気の上級状態であります。太極が申す気は任脈と督脈が自然に繋がる小周天から、14の経絡が自然に繋がっている大周天までに至れば、人間は最初に自身の体の中にある流れを本格的に感じるようになります。それから更に数十年の訓練を経ていなければ、「収斂入骨」が出来るようになります。これは、気が完全に骨の真ん中で動くようになります。そうすると、動ける骨も動けない関節もなくなります。骨盤の変形、恥骨結合の開き、胸骨と胸椎の感覚の短縮、鎖骨と頚椎の感覚の短縮、胸椎の上昇と回転…とくかく、一般の人類の体では有り得ない動きが出来ます。
太極の難しいところは継続することです。もちろん、方向性も大切です。筋トレが身体機能訓練は基本的に必要がありません。幼い頃は多くの太極拳専門家をすぐ横で見ながら太極を学んでいました。無理して筋トレをしている人は一人もいませんでした。本格的に筋トレをしている仲間は何人もいます。それは定時定量とか、何曜日は胸で何曜日は足、10数年をかけて難しい動作に挑戦する方もいました。もちろん、本格的な筋トレをされている方々はその体も一定の柔軟性を保っており、太極拳の訓練と兼ねて練習することもまったく問題がありません。逆に、太極拳の訓練によって、柔らかい筋肉の形成で体の筋肉の形がもっとくっきりとすることも可能です。人間の気は、筋肉がかなり柔らかくなったところではじめて可動できるようになります。言い換えれば、これが気のはじめです。人間の腰椎は体の中で最も自動が難しい箇所です。人間は自身の気を完全に骨レベルで動かせるようになるには、最も突破しにくい箇所もこの腰椎です。腰椎が液体のように自由に動けることはいかなる記事やいかなる本を読まれても実現できないし、いかなる筋トレとも関係ありません。太極原理にあった訓練を続けるしかないです。

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