第1400話 陰陽颠倒の本当に意味
- 2019/06/20
- 11:11

楊氏「太極法説」言及している「陰陽颠倒」の冒頭ではこのように綴っています。
阳:乾、天、日、火、离、放、出、发、对、开、臣、肉、用、器、身、武、立命、方、呼、上、进、隅。
阴:坤、地、月、水、坎、卷、入、蓄、待、合、君、骨、体、理、心、文、尽性、圆、吸、下、退、正。
そして、多くの人が見事にこれが太極の状態だと勘違いしているのですが、日本人は多くの難しい漢字が並ばれていることもあって、中国漢文が読めないのも仕方がないですね。今日の多くの太極拳を偉そうに解釈している人も日本人や諸外国の人間と同様の間違いを起こすならば、悲しいでしょうね。まあ、私も義務教育知識だけでは中国語の解釈はかなり困難です。確かに、日本に来た頃は日本語の勉強もかなり難しく、私は同時に中国の古文や歴史書物を独学で勉強していました。
結果から申しますと、「太極陰陽颠倒解」の冒頭の状態は、すべての人間の当たり前の状態であり、太極の上級者は当たり前の状態と真っ逆様になるはずです。

よって、太極は全身の関節が相手の抵抗を同時に同度合いで吸収することは「開」、吸収した抵抗を同時に同度合いで放出することが「合」です。当然、体の防衛のような動きは攻め、攻めのような動きは太極の「化勁」になります。当然、吸収と放出は恥骨結合や骨盤の拡大と縮小、尾骨と結合の動きや骨盤と大腿骨の開きも全部含めての話しになります。
太極、どうしても武術として解釈するのならば、それは、自身の体のすべてを武器にしてしまうことになります。馬岳梁が殴ってきた人の拳を頬で受け、瞬間に相手の上腕を複雑骨折させたことは私が側で見ていたことと、孫祿堂先生が殴って来た人の拳を人差し指で軽く触っただけで相手の攻撃を曲がらせてその相手の顔に自分の思い切りの一発を食らわせたそうです。この私はまだ先人の状態の途中にしかできておりませんね。
おっとっと、このように書くと困るのはまた一部の方がこれらの技を確認したくなって、私の教室に来ては試すなどの行動は一切、応じられないこともここで書いておきましょう。先代の先生の凄さにはまだかなりの距離があり、太極を説明する者も常に太極修練の途上にあって、近代放置社会では、基本的に信頼関係がある方のみ武術の交流ができます。お付き合いがない方々、私が申し上げている自身や先代の身体状態のいかなるご確認はご遠慮ください。
本日のテーマは、太極の動きをいかにその正反対の動作や内面的な動きによる隠蔽の大切さを説明しました。太極自体もそうです。全身のいかなる箇所も無力状態で色々な基準に沿った動きを訓練し続ければ、無力の中でもパワーが現れます。
今後も教室の方々に惜しみなく、楊と呉が残されたすべてのノウハウを分かち合って参ります。


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