第1407話 下苦功夫と言う言葉
- 2019/06/27
- 08:54
3年前に、わたくしが五人の弟子を迎え入れた際に、わたくしの拝師の師父の馬江麟氏が来日して、日本国で私の学生や弟子とはじめて会ってくれました。師父は遺伝の病気で中々思う通りに体を動かすことが出来なかったのですが、太極の基本理論などはしっかりしていて、色々な説明はまったく問題がありませんでした。一般的な養生と、どうしても太極の真功夫を手に入れる訓練の違いを徹底的に語りました。そして、本気で太極を武術として練習する場合は、「下苦功夫」と言う表現を使いました。
一般的に中国武術は昔、「冬练三九、夏练三伏」と言う言い方があります。まあ、一年中の最も寒い日と最も暑い日練習は欠かせないです。当然、あの頃なんかエアコンあるわけがありませんね。あの状態では外家拳も内家拳もなく、真夏に練習したらすぐに全身がびしょ濡れになり、冬は全身装備をしても野外ではかなり寒いでしょう。それに、呉式太極拳は見た目に簡単そうで踵の動きの中での位置や膝の動きの中の位置、顎の位置や鎖骨の位置が一定の状態ではなければいけません。私のとって、顎が下がっていない状態で鎖骨が下に沈むことが30年もかかっています。
当時、私の少年時代では師匠が言っていることを誰よりも徹底的に練習することで師匠も私にはかなり厳しかったです。通常、家の中での練習にしても、虚歩の際には横から見て両膝が一条線になることが要求されます。もちろん、108式一歩ずつすべてですが、私が要求されたのは伸ばしている足の膝が常に曲がっている足の膝よりも低いことになります。もちろん、この状態でも前進後退の際には骨盤はまったく上がらず捻らず、昨今、世界各地で流行っている白鶴亮翅の際に両足が思い切り立ち上がるやり方は家では先生はきっと激怒していたはずです。
当時、呉式創始者の鑑泉は練習場にロープをひく練習も一般的にしられていますが、家ではこのように棒で両膝の横から拝見しての一直線もはかられるし、棒に記しをつけて膝が終始一定の高さが保たれているかどうかも測られます。まあ、私にとっての地獄は膝の位置でしたね。
ここまで書けばまた一部の方は私がまた秘伝を喋っているではないかと心配してくれますが、私はもはや、当研究会と関係ない方々も出来るならば、ご自由にこのように練習してほしいと思います。一つの姿勢だけではなく、108式すべてですよ。
まあ、「下苦功夫」は皆様が考えているほどのことよりもかなり厳しいことは間違いありません。無理せずに徐々に体を変えましょう。
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