第1408話 何を教えるのか
- 2019/06/28
- 08:50

本日からしばらく北海道にいます。もちろん、この頃になって私はもう以前のように制定太極拳倶楽部の皆様に何を教えるのかで悩むことも一切ないと言っても過言ではありません。北海道の皆様はもはや、本来の伝統太極拳を待ち望んでいるのです。それもそうですね。制定太極拳も自選難度も中国という国の伝統武術から来たわけです。歴史的な諸事情で伝統武術はあまり中国ではあまり流行っていなかった時期もありますが、今日になってはもはや伝統武術や伝統太極拳の人間が徐々に回復してきたと感じています。先月、中国の伝統太極拳六大流派の責任者が編集する「太極老年人架」は伝統太極拳の人気を象徴していると思います。

一方、悲しい話しですが、中国伝統太極拳六大流派は各家元を含め、その内容は制定太極拳にかなり似て来ました。それは、それぞれの動作もそうだし、音楽をかけての練習も本来の伝統太極拳ではありえない話しですね。そして、近代人の多くはどうしても太極をダイエットや筋トレと連想させてしまうがちですが、太極は本来、スポーツではないし、筋肉を鍛えて体の見える形を整えていく運動でもありません。太極は堕落した我々の体を修正する養生術であり、太極は他のどの武術とも異なるものです。よって、いかなる武術や達人の動きを太極と比較してはならないのです。
そもそも、多くの武術家が仰っているように、近代戦争ではミサエル一つですべてが片付けられるのですね。あえて武器套路のような訓練は本当に必要かと言われれば、それは必要がないでしょうね。しかし、それならばいわゆる徒手の太極拳やその他の武術もまったく必要がないかもしれません。近代でも軍隊の中やその他の分野でも多くの新しい武術がうまれたのですが、これは原始的な人間対人間、または人間対猛獣の格闘と言う人類の伝統からくるものの延長線上にあることは変わりがないですね。こう考えると、制定太極拳は中国の伝統からくるものであるとも言えます。いかなる制定太極拳を伝統から外す行為や制定武術を過評価する考え方も、結果的に中国の歴史と太極の歴史知識が乏しいからでしょう。
制定太極拳倶楽部の皆様には、普通に伝統太極拳を教えていけばよいですね。伝統太極拳をしっかりとやっていけば、はっきり言って制定太極拳はかなり簡単になります。そして、伝統太極拳は格闘技などの優越性はさておき、怪我がほとんどない状態の中で一定の養生効果もあります。誰が制定太極拳を練習する人間なら必ず怪我をしなければならないのかと定めたのでしょうかね。もちろん、養生はすべての人間の権利です。これからは日本国は高齢化社会がかなり進んで参ります。本当の意味での健康と、正しい伝統太極拳の教えは絶対に生きると確信しました。あとは、やるだけですね。


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