第1420話 遊び感覚も大切
- 2019/07/10
- 09:23

太極は弁証法であり、矛盾論であることは何度も言及しておりますが、本日も昨日の論点をひっくり返すような研究をしてまいります。太極の練習は脳で懸命に色々な動作を学習していくよりも、脳が空っぽ状態で体がかなり少ない脳の指令の元で自然に動かす仕組みになっています。これはいわゆる「以意行気」ですね。太極は脳の緊張がほとんどない状態で練習すべきです。言い換えれば太極の練習は遊び感覚もかなり大切です。まあ、ここまでは何となく昨日のブログに矛盾していると感じる方がいるかと思います。そして、実際に呉式太極拳の慢架108式を覚える自体もかなり大変ですが、それを更に脳が空っぽ状態で体を動かし、しかも一つひとつの動きを正確に行うことって、これもかなり矛盾しています。

太極は単純に遊びだと思われても困るのですが、太極拳を覚える為にかなりストレスが溜まってしまうのならば、太極の本来の効果もほとんど得られません。太極の一番最終的な目標は脳の解放です。わかりやすく言えば、体内の陰陽五行が互いに補い合い、体がかなり調和されている状態であれば、脳もほとんど指令を出さずにして高度の緊張から解放され、その時の脳はただこの調和された体の素晴らしい状態をパターン化にして記憶していくだけです。これこそ、タオイズムが考えている真の健康です。
ところで、世間では娯楽程度で太極拳を考えている人が多いようですが、なんでも、楽しいから、面白いから、仲間ができるからと、確かに、仲間ができることは私も否定はしません。がしかし、ただの遊び仲間と真剣に武術に取り組む仲間の深さもきっと異なります。仲間ができて練習の後の一杯が楽しみだという方もいますが、私達の研究会も時々一杯やっております。しかし、これは毎回ではありません。一部の会員さんは今になってもはや、駅までに私に色々な質問を伺ってくるようになりました。私も当然、喜んで答えて差し上げています。10数分の時間ですが、太極に対する疑問はかなりと色々と解けて参りますね。
そして、遊び感覚と言えば、私は中々覚えられない会員さんに対しては、次回のレッスンの時に全部忘れてもよいと声をかけております。これも一種の感覚ですね。我々の脳があまり緊張しないで色々なものが覚えられるならば、まことにして最高ですが、逆に脳で記憶できなくて、高度の緊張で無理して壊れてしまうことは当然望ましくないでしょう。更に全身に力を高度に入れた状態で太極拳を練習すると、体内の内勁も止まり、体の高度な緊張を支えるのは脳の激しい指令目立つことの他に何もありません。脳は常に、筋肉が高度に緊張するように体中に指令を出しつづければ、脳もきっと体の反発を受けて、いつかは体も脳の指令を受けなくなり、指令もとうとう空回り状態になります。
まあ、そこまでやっていまうなら、脳も壊れますね。


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