第1481話 31本目の骨として
- 2019/09/09
- 10:47
10年位前の出来事ですが、私はまだ民間の保育園を経営していました。国の補助などまったくない状態では色々なサービスを考えなければなりませんが、なんとか土日の休まずにして、地域の一番の需要を体で張って頑張っていましたね。
日曜日ではいつも数人のお子さんを連れて電車に乗り、埼玉県にある一番大きい公園の遠足をしていましたね。公園では多くの方が32式剣をやっていました。これは一応、私が日本で公園の太極拳をはじめて拝見したのですね。当時は私が太極拳の仕事をしていないこともあって、日本人の太極拳と言ったら自身が密かに教えている数人の個人のものしかわからなかったです。もちろん、自分が教えていたので自分の動きに似るのも当たり前ですね。あの時に拝見した32式剣は日本ではじめて自分ではない太極拳を拝見したこともあって、なんかすごく感動しましたね。まあ、一般的に中国人が練習している32式剣とはかなり感覚がことなりますが、井戸の中の蛙である私が何故かかなり興奮して、なんとか丁寧に先方の方に少し話しをしてもよいかと、向こうも話しをきいてくれることを確認して色々と伺い始めたのです。向こうは新しい会員を募集していることもあって、かなり丁重に色々と説明してくれましたね。日本最大の連盟に属しているグループのようで安心して正しい太極拳が練習できると強く主張してきたので、私は呉式をやっている人間でだと切り出したら先方はその連盟
の太極拳が日本国の本物だと強く主張したので、私は園児を口実にしてその場を去りましたね。
日本国の太極拳が伝統においても制定においても中国とかなりの差があることを知ったのは私が正式に太極拳教室を経営してからです。
日本国の太極拳の現状やレベルをいくら議論してもおそらく、現在の400万人とも500万人とも言われている日本国太極拳人口の平均実力に影響はでないことだろうと思うと、私がひたすら太極拳の原理や理論を申し上げ続けるしかありません。年内にはまた小さな拙作を発表したいとも考えておりますが、より多くの方に正しい太極の基本を知っていただくには日々のブログが一番よいですね。私がほぼ毎日のようにブログを書き続けている理由になります。
話しが変わりますが、馬岳梁氏は近代太極拳ではじめて医者としう立場で太極を分析していましたね。彼が言うには、普通の人間は最低限度の10本の骨が動いていれば普通の生活ができます。もちろん、人間が常に動いている骨は10数本だと他の医学専門家も同感のはずですね。しかし、先代の自身の体の実験では数十年間の太極修練の後、人間がだいたい30本の骨が同時に動けることになります。わかりやすく言えば、人間の骨格に弱いポイントがかなり増えたわけですね。
そして、人間は手に武器を持っていれば、それが第31本目の骨のような存在だと師匠馬岳梁が言っていましたね。当然、この状態になれば、人間は無理して力一杯で剣を握るのでしょうか、または、死んだ剣の使い方をするのでしょうか。世の中では色々な考え方があり、一般的には武器が人間の体の延長になる
との解釈が一番多いですが、太極は人間自体が骨の実と骨格の各弱いポイントの虚の調和で成り立っていることで、太極の武器套路は人間と剣の間にも弱いポイント、つまり。「虚」が挟んでいるのが理想です。まあ、これは虚実もわからない人には決して理解できないですね。
このように、私達の家は他のどの流派よりも多くの武器套路を継続しているのは太極勁の解釈に成功していると感じております。もちろん、当家の組織では現在のところで太極拳を外家拳のように練習している者が多く、太極独特の体の虚実に関して何も理解できていない人が大勢います。
これに関しては私はまったくがっかりしていません。太極勁がこんなに簡単に身につくのならばもはや太極勁と言わないでしょう。太古の昔より太極の先駆者が太極勁を身につく人間はいつの時代になっても一握りだけだと主張していました。太極勁はいかなる有名優はにおいても、どのような太極拳巨匠の末裔であっても体で訓練を続け、心で悟っていかなければ太極の奥儀を体で理解できるものとはとうてい考えられないのです。
太極はすこしずつ体を変えていくしかないですね。
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