第1502話 片腕
- 2019/09/30
- 09:41

知り合いが競技推手で怪我をして、片腕で勝ったと伺っています。太極は元々、いかに片腕対両腕、両腕対片腕の専門練習がありますが、私は数年前に一度家の中で手首を捻挫したことがあり、自分で針を打っても何故かまったく感覚を見つけることがありませんでしたので、仕方がなく他の鍼灸師にお願いすることになりました。まあ、素早く回復して良かったです。しかし、片腕が手首の激痛もあって、慢架さえできない状態でしたね。まして、人と勝負することなんかは相当の精神力が必要です。
本来ならば、いかなる武術でも一回戦上に行って、それが実際に玉が切れた時に敵と一対一での経験をしていなければ、その武術は決して使えるとの保証はないですね。私は基本的に競技推手や昔の中国の推手試合(中国式競技推手)を否定しないのもこれです。私は若い頃にモンゴル相撲や軍隊の特殊部隊と交流練習したことがあり、内モンゴルでは90分でスタミナ切れでした。特殊部隊は2週間の体験特訓でした。法律によって銃の訓練以外の陸の訓練はほとんど経験しております。毎日が10時間でしたね。これは、その一刻一刻が生と死を分けるほどの設定でした。最初のうちはこれが訓練だと自分に言い続けたのですが、1週間過ぎたところではもはや次の日にはどう生きていくのかを かんがえるようになりましたね。その時に私が得た結論は、いかなる武術も最終的には武術套路通りにはならないことです。

[池袋教室も少人数の募集]
片腕で勝った方は試合に対する意地だと思います。本当に武術が好きでしたら、本当の意味で格闘技が好きでしたら両腕がなくなってもきっと戦って行ける武術を研究して毎日のように懸命に練習するようになります。本当の格闘家は自分自身の命も惜しまずに体を武器に改造していくのです。がしかし、次の1秒でかなりの凄い技で相手を倒す人のほとんどが何故か優しい人ばっかりです。
ところで、人間界ではいつも一人の人間が優しければ、傷付くこともしやすいですね。優しい人はいつも人様に合わせて、何でも人様の利益を優先させて、人様と商売や縄張りの争いはしません。人と争ったら手を合わせると思わぬ怪我を相手に追わせることになります。中には自身が怪我をしてもいいくらいにいざとなると相手に勝たせることで相手に怪我だけはさせたくない人が多いです。
本当に武術が好きな人はあまり勝敗に拘らないはずです。体の色々な使い方の訓練を毎日のように継続するだけが喜びであり、昔から本当の達人はあまり沢山の弟子を取らないようにしています。自分自身の訓練が大切だからですね。
しかし、今日は武術の練習をしているだけで何も得られないですので、多くの武術が好きな人は生計を立てることに追われています。時代が変わりましたね。

[池袋教室も少人数の募集]

スポンサーサイト