第1529話 推手という連ドラの啓示
- 2019/10/25
- 13:02

一部の会員や弟子からYOUTUBEに「推手」という連ドラが存在すると伺いましたが、私はすでにその存在を知っています。近代の中国では商売や取引の駆け引きを「推手」という言葉を使っています。しかし、本当に残念なことですが、ドラマで変出する推手はほとんど俳優さんが適当にやっていますね。そして、単推手を秘伝のようにしています。まあ、今日の中国ドラマは俳優がほとんど指の動きもまったく合っていない演出できれいなピアノメロディーが流れてきます。五輪の開幕式でさえ声優の録音テープと俳優演出の張り合わせくらいですので、ドラマを適当に制作するのもあまり驚くことではないですね。
おそらく、上海で開催されている世界武術大会のおかげで、Facebookで繋がっている日本国の複数の著名コーチも何故か私にFacebookのリクエストをかけており、毎日のように数百件のリクエストが来ていますね。私は基本的に知り合いではない限り自分からるリクエストをかけることはしないですが、知らない人からリクエストが来たら、向こうからメッセージがなくても私はメッセージを出すようにして承認しています。今の世の中ではリクエストはメッセージがないのがもはや常識ですが、私は挨拶もなく人と友達になるのがどうしても落ち着きがないのでこのように逆に相手に挨拶をしています。今回のあらしのようなリクエストですが、ほとんど言葉が通じない方からです。いきなり英語での挨拶が来ることもありましたが、私はすべて日本語で返しました。私は今、日本語で生活しているからですね。はっかりと私の言葉が理解できない海外の方で「いいね」マークだけを送ってくれる方もいましたが、私も楽しみに「いいね」マークを返していますね。見えない人との付き合いは特に推手に似ています。矛盾と問答ですね。もちろん、今回の嵐のようなFacebookリクエストで先方のお名前が横文字のSHIFU誰々、SIFUなんとかかんとかからのものはすべて削除しています。理由一、横文字のSHIFUやSIFUの意味がわかりません。理由二、そのSHIFUになっている人達、どこの誰に弟子入りをしているのだろうかがわからないです。

ところで、私が先代の考え方に従って説明している太極推手はかなり独特なものであることは、この6年間で大分知られるようになりました。もちろん、連ドラの推手とも、SHIFUやSIFUの太極拳用法とも異なります。本当に幸せなことで私は自分の国ではなく、この日本で徐々に太極本来の考え方が知られるようになり、理解しはじめる方も徐々に増えています。複数の会員より中国連ドラの推手を指摘することはこれを証明しています。
この世に、おかしいものや適切ではないもの存在は、正しいものへの証明になります。なんか、大昔に書かれているキリスト教の聖書や更に昔の老子道徳経の見解にかなり近いような気がします。
私が教えている北海道中国武術倶楽部の10周年のお祝いの時に、このような言葉を送っております。「十年樹木、百年樹人」は人間を育つことの難しさを表しています。種を撒いて樹を育つならば十年、一人の人間を一人前に育つのが百年もかかるとのことです。私もあなたも、どんなに偉い人も皆同じです。自分自身はまだ未熟だと思うのか、もう自分がかなり凄い人間になったと思うのかで、一人の人間の成熟度を決めます。どのように自分自身を育つのかは人間力の完成がいつになっても相対的であることへの認識にかかっています。常に、人間は完成できないと自戒していれば、何歳になっても育っていくものです。


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