第1560話 逃げない太極
- 2019/11/25
- 13:51

私の研究会ではまさに老若男女と言ったところでしょうかね。体に問題が起きている人も少なくありません。もちろん、人間は体を無理に操作すると老化が加速されることもあって、あまつさえ、世の中では間違っている身体操作法や太極拳がかなり横行していることも加えて、人体の肝心なところで動かすべきところから逃げての練習法がじつに多いと感じております。特に太極拳の世界では中国をはじめ、世界のどの国も適当に展開していることは見え見えです。
人間にとって体のもっとも大切な自由はなんだろうかと伺っても答えがばらばらでしょう。昔の太極的な考え方からすると人間は骨盤の結合が自由になることがもっとも難しいと言われています。がしかし、今日の整形外科の研究でも確かに仙腸関節と骨盤の間の動きを訓練する方法があっても、恥骨結合を動かす訓練は研究されていないようです。もちろん、私からすると一部の所謂仙腸関節を動かす訓練は逆に腰椎の動きを制限しているようにも感じており、ストレッチと言う体の動かし方は本当に沢山の実験を重ねていかないといけないとも感じています。人間の体ですので、適当に動かすと一旦、体が変な方向へ行ってしまえば、元に戻すことはできなくなることもあって、近頃に色々と適当なストレッチをネットで見る度に心配しております。これでは体が壊すと…もちろん、日本の常識としては私は名指してそれを指摘することもやってはいけないことになっていますので、焦る気持ちが空回りしていますね。何故かと言うとこれは人の健康にかかわることだからです。人間の体がおかしくなったら戻すのが困難ですね。
太極で人間の結合が自由に動けるように訓練していれば、仙腸関節と骨盤の間の動きができているか否かも明白にわかります。研究会では色々な動きを私が校正していく中で多くの会員さんが自然と重心が爪先に行ってしまうこともこれを証明しています。一部のお体が弱い会員で自身の練習でなんとか「開胯」(結合の開き)から逃げていない状態で練習していたら、自然と爪先重心になったことで悩んでいる方もいました。何故かと言うと、他所さんの太極拳教室では「開胯」からかなり逃げている状態で無理して踵重心を作っていて、それをネットで懸命に宣伝していることもあって、更にこれをぱっくった教室もあって、太極拳の踵重心はもはやマニュアルのようになっているようですが、「開胯」への努力がまったくしていないにもかかわらず、どう見ても尾骨が高く上がっているにも関わらずにして踵重心を語っているのは本末転倒の極りです。
そして、異なる角度から分析すると、人間は自身の尾骨の位置がどうなっているのかに関しては中々鈍感のはずです。特に、結合はともかく、色々と運動不足によって人類はかなり若い頃から仙腸関節と骨盤の間の動きも制限されていまい、骨盤周りにおいてはどちらかと言うと本当に硬い状態になっているのが事実です。骨盤の周りが以外にも筋トレなどの近代人が進んで練習していることで硬くなるケースもありますね。原因はさておき、我々は骨盤のまわりの筋肉が強すぎることで骨盤全体の動きと他の骨との動きが宣言されているわけです。この状態では当然、尾骨の感覚もまったくないですね。ここで、体が本当に弱い方々が逆に尾骨の動きや状態が何となく感じることは本当に神様のいたずらかもしれません。道が弱さを宝物にしている基本原理は太極の随所で生きているはずですね。


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