第1565話 野生の啓示
- 2019/11/30
- 11:03

妻が若いに飼った猫が最後に力を振り絞って逃げたことは何度も伺っております。昨日は親友のかなり年を取った猫も何故か外へ逃げようとしていますね。私の考えでは猫もいくら飼われているとは言え、野性的な部分はきっと残っているはずですね。人間は、その太古の昔も野外で棲息してこともあって、我々は大自然の中にいるとやはり妙に落ち着くのではないでしょうか。昨日も親友のおかげで随分と大自然に身を委ねたのですが、面白いことに特に山道を登ったわけでもないにもかかわらず、向こうから来る老夫婦よりはごく自然に挨拶が来ますし、農家のご年配の方よりは色々と農作物が紹介されましたね。山奥の自然の中で生活している人も大自然に触れてストレスから解き放たれた人も基本的に鎧を捨て、他人と自然に接していくのではないかと感じましたね。人間は野生の頃に特にプライバシーなんかは無かったと思いますね。しかし、今日の私ならばプライバシーがオープンされるのも本当に嫌です。もちろん、本当の仲間ならばあまり関係ないと個人的には感じています。まあ、これは個人差があって当たり前です。
伝説なのか歴史的な記載なのかはわかりませんが、キリスト教が言及している人類の祖先であるアダムは1000歳近く生きていたとか、道教の開祖である老子は800歳を超えたとか…大自然を拠点にして棲息する人間は長生きだと言われていますね。私が住んでいる東京都東村山市は都心と比べるとすでに空気がかなり良いですが、昨日はもっと田舎に行って、自分の地元よりも何故か本当に空気が澄んでいると感じました。我々は色々な意味で国の発展を成し遂げてきたのですが、我々にとってきれいな地球の大切さはおそらく、それを失いかけた頃に痛感するのでしょう。温暖化が我々の体を蝕んでいくことは私は自身の体で感じています。
ここまではおそらく我々が実際に棲みついている大宇宙の話しだとすれば、太極は我々の体である小宇宙を整える方法になります。ですので、適当に動けば太極拳だとか、両腕に力を込めれば「掤勁」だとかの考え方であれば、普通にいかなるスポーツでもそれなりの効果が得られます。小宇宙を整えていくにはそれなりの学問があり、厳密な動きではないと決して人体の宇宙のような変化にを調節は不可能です。太極拳を教えている人間であれば誰でも太極の十六字訣を知っているでしょう。しかし、「虚領頂勁、含胸抜背、松肩沈肘、落胯垂臀」は果たしてこんなに簡単でしょうか。2016年に中国太極門の主要たるメンバーが集まった集会で参加させていただきましたが、大先生の方々が語る太極十六字訣は参列した太極門の嫡伝者のほとんどができないほどの難しさでした。太極は適当に体を動かすものではないです。
最近、親友が故郷の上海に帰郷した際に感じたのが、数年前と比べると空気が明らかによくなりました。その結果は、中国と言う国もとうとう環境汚染問題に力を入れることからのものです。もちろん、本格的な環境改善はかなりの時間がかかる作業ですね。根気よく続けるしかありません。これは、我々の専門である太極も同様です。太極は人間の体を小宇宙として調整する手段であり、いずれも厳密的な法則を知らなければいけません。もちろん、その時の体に状況に応じて太極の練習法も微妙に変えらなければなりません。太極を理解している人間で常に練習によって、上達を続けている人間の教えや「喂勁」が最も望ましいです。太極門の兄弟の皆さん、共に頑張りましょう。ご縁で繋がってみる会員の方々には私の知っているすべてを差し上げたいと考えています。鑑泉社の「非物質遺産」登録は最終段階になりました。多くの方のお祈りを心よりお願い致します。


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