第1593話 通勤途中の単語帳
- 2019/12/28
- 09:49

中国では昔、外国語の単語を覚える為には通勤途中のバスの中で小さな単語帳で単語を暗記する習慣がありました。私も日本に来る前に単語帳を中国で安く買って持ち込んだのですが、結局、日本に来てからわかったのは、この国では日本語の単語を単語帳に移す時間さえ惜しむことでした。考えてみる今になって、どんなに忙しくても私は少しの自由時間があったのですが、日本に上陸した頃では時間があればアルバイト、時間があれば勉強、特に日本語の勉強は私にとっては英語よりもフランス語よりも各段に難しいです。日本語の単語や文法は理解しているようで実際に理解できていないものがかなり多いです。単語帳に日本語単語を移す時間がなければ、日本語学校の教科書を直接引っ張り出しては単語を暗記していましたね。熱心な日本人は、日本語が難しいですかと、伺って来ますね。もう何が恥ずかしいことかは関係なかったですね。この国に住む人間が言葉ができないことは余程恥ずかしいでしょう。やがて、日本の企業に就職してそれはそれは、残業は当たり前になって、何かを覚えようとしても、中々時間がないのが現実でしたね。企業が倒産して、私も色々な仕事をする様になったのは2000年の後の話しになります。景気も冷え込み、残業する時としない時が別れ、太極拳の練習はいつの時代におても休んだことがないので、もう少し日本語の勉強や中国にいた頃に中々手に入らない金庸小説も少しは楽しんでいましたが、近年では日本の景気がサランい冷え込み、一定の年齢になった者はもはや仕事を見つけるのはかなり困難になり、私も仕方がなく、個人事業を立ち上げたのですが、色いろと失敗も重ねて、私はやっとのことで今日に辿り着きました。考えてみると日本の個人事業ははっきり言って、自身に属する時間なんかほとんどないでしょう。毎日のように宣伝専門の時間も必要ですし、冷やかしいの見学などもある程度のお付き合いが必要です。時間は無情に流れていきますね。まあ、何とか休日には2、3時間の写真を楽しんでいますが……
ネットでは、中国の有声小説があります。はっきり言って真面目に本を読むとけっこう疲れると感じたのは実は30代の真ん中辺りです。当時、日本語はいつになっても完成できないことの焦りもあって、色々な日本語の小説や本を懸命に読んでいた記憶があります。ご存知のように私はどこかで太極拳の練習時間をとっていたこともあって、来日しても 実際のところでは自身の自由時間が本当に少なかったと感じております。太極はゆっくり動く者であり、太極を職業ではなく、たの趣味で練習することは今日の呉式鑑泉社弟子の多くも難しいと言っています。私が羨ましいとも言っていますね。まあ、私は太極を教えていない歳月も出来る限り毎日のように練習していました。時間が足りないと感じているのはおそらく私だけではないでしょうが、人間は休養もかなり大切だと感じはじめたのは実は最近のことです。自身が妙に感じてくる疲れは近年かなり目立ってきました。まあ、年でしょうね。今まではネットの有声小説で何とか寝る前に少しは金庸小説を聴いていたのですが、近頃では、横になればすぐにぐっすりですね。ネットでは、金庸小説で撮影したドラマがあります。これは常に忙しい私には中々むりですね。
人間の誰も休養が必要です。私も若い頃ではジョナサンのカモメに憧れたことがあり、改革開放の初期の頃では中国語の教科書に最初に海外文学が掲載されたのがこれですので、私と同世代の人間の誰もこれを知っています。日本でも生きている限り懸命に毎日のように動く方がいますが、実は人間にとっての養生と休養はいかに自身の体を整えて、いかに良い状態で少しでも長生きすることの保証です。私は太極を45年練習しており、呉式嫡伝のないようでは間違いはありませんが、これからは何とか生活を整えて、もっと休養が取れるようにしたいですね。健康で長生きは人の誰にとっても大きな課題です。太極を語っている人間として、自身の健康と年齢が太極への証になります。
結果、私は太極を長い間続いていますが、長い間の休養のない生活や飲酒、十数年前迄は喫煙もしていたことがあって、人生の後半に差し掛かった私は今後、どのようにして仕事と休養、栄養バランスの調整で後半の人生を維持していくことがこれからの課題です。近代人にとって、仕事と休養のバランスは本当に難しく感じますね。


スポンサーサイト