第1680話 差之毫釐、謬之千里
- 2020/03/24
- 12:07

王宗岳太極拳経の言葉の一句になります。私は何度もこれを書いておりますが、中々、語り尽くせないのが現状です。一部の会員や見学者はなんども私に先生、こういうこういう練習はしませんかと提案してきます。もちろん、これはよその様の練習法や考えですね。これは結果的に私がいけないと思いますね。私は世の中の誰とも異なる太極の考えを持っているからです。私は太極門の中でも異色的な存在になりますね。それはまず、数十年前の中国の動乱により、実に多くの文化的遺産や資料が失われて、太極門の中でも結果的に色々な憶測で太極の練習法を探っているのは事実です。そうすると、「差之毫釐」や「蠅虫不能落」どころではないですね。私が一部の太極門の弟子と手を合わせたところでは、これはなんという拳法だろうかと聴かれる時もありました。まあ、現在の研究会の中で時々現れる私に他の教室では違うふうに教えている発言や私によそ様の教え方を提案する発言などは、太極門弟子が私の手が太極として理解できないことと比べればどうっていうことではなくなりますね。もちろん、私が言うことを無視して、自己流で他の武術やスポーツの考え方で勝手に練習する人は論外ですが…私は研究会でいつも丁寧に、こうこういう歴史的な原因で現在の世界で流行している所謂太極拳は本来の太極思想や原理とことなるものですよと、大概、これはもう私が来日した頃から既に感じたことであって、中国国内では太極を教える資格がそもそもない人達が日本で大々的に教えていることは事実であり、太極以外の中国武術に関しても同様であることは、最近になって中国八卦門に正式に拝師した日本人の中国武術後輩の者の率直な感じたことから知りました。中国も世界も現在のところ、特に「内家拳」の分野で体の動きだけを真似している教室がほとんどです。特に伝統武術と名乗っている色々な拳法を拝見していると本当にダンスのようなものもあれば、スケートのような滑っているものもあって…こういう言い方は本当にダンスさんにもスケートさん失礼かと思いつつ…私のYouTubeに自然に流れてくる世界の色々ないわゆる巨匠の動画、去年の世界武術大会のせいで急にできた数百人の巨匠からメッセンジャーを通して送り付けてきた様々な動作だけが「内家拳」に似ている「演武」、世界の中国武術はどこに向かっているのかは私が知ったことではないですが、このようなすべてのふざけた「内家拳」がすべて私の資本主義社会においての競争相手的な存在を考えると私はいつも一人で悲しんでいます。当然、これは私に未熟の他になんでもありませんね。
本日のテーマのごとく、「毫釐」とは近代の言葉でいうと1ミクロのことになります。当然、これは一つの動きにおいても、一つの考え方においても同様です。例えば、「立身中正」はただ上半身だけが地面と垂直するだけか、それとも体の自然体に任せて自然に前傾のままにするかでは、体の結果が大きく分かれますね。日本では一部の素人同然の人間は声高らかに呉式の特徴は前傾だとかと言っていますが、本当にふざけんなよ!昔の陳式も楊式もかなり前傾していました。
太極は一つ自然体の中で所定の動きをひたすら練習することで、もっと人間の深層的な動きで通常と異なる力の使い方と通常の人間の生命と異なる進み方という結果を求めています。当然のように、「差之毫釐、謬之千里」はかなり理解しやすくなります。もう少しで私が人生の二冊目の太極専門書が出版することになっておりますが、これには、太極についての様々な詳しい説明が盛り込まれています。
義兄弟が歌舞伎俳優であることもあって、個人的には日本伝統芸術である歌舞伎が好きです。しかし、私は歌舞伎の見えを切るところがはっきりと理解していないこともあって、途中の屋号を呼ぶことも中々ゆるされないですね。もちろん、今日では歌舞伎俳優の付き人や専門の方が屋号を呼ぶようになっており、例え昔のように誰でも普通に見えを切ったところで屋号を呼ぶことができても、私は多分ずれてしまうのですね。一瞬のずれならば、その場で笑われるか歌舞伎俳優さんに恥をかかせただけになりますが、太極は一人の人間の体の状態を整えていくものですので月に2、3回の練習ではなく、毎日のように練習するのが基本です。毎日の「毫釐」の積み重ねはいかなる大きなずれになるのかは普通に数学的な計算ですぐに結果がでますね。まして、たとえば、毎日のずれが「毫釐」ではなかったりして…先述のように世界的な制定武術大会のせいで多くの巨匠がFacebookリクエストをかけてきて、俺も太極拳だよとか、10何年とか、20何年とか色々と他人を自分と同等レベルまでもっていこうとしています。まあ、これは日本国内においても時々起きる話しです。俺は誰の弟子だよと、俺は太極拳何十年とか…しかし、私は問いたいのですが、あなた様の太極のずれはどの位でしょうか。「毫釐」、それとも「千里」か…
現在の呉式太極拳研究会にも多くの太極拳の先生が勉強しに来ています。これは、中国国内では師弟関係以外ではほとんど不可能ですね。これが日本という国の素晴らしいところです。しかし、多くの適当に太極拳を教えている中国が来日していて、日本国の太極拳事情が大きく乱されてきたことも事実です。
このウィルスが猛威を振るっている時期に私は多くの方に声をかけております。ご自分のお体に責任を持って参りましょう。無意味な練習や体を壊す練習はやめましょう。なんとか、免疫力を高めて参りましょう。
封建社会では、手抜きしない太極拳は家の中でしか見せません。私は研究会の中で出来る限り、かつての家の中の太極拳を教えております。これは、家の中の太極拳の短縮版です。 会員様募集しております。
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