第1709話 十人十不知
- 2020/04/26
- 08:24

このようなテーマだったら、私が七年前にブログをかきはじめの頃ではまた毎日のように沢山のコメントが書かれてしまうのではないかと思います。それもそうでしょうね。一般的に世間では十人九不知と言う言い方でしたら中国本土ならば誰でも一応しているくらいです。まあ、日本国ならば、中国のどこかのしっかりした団体と連携しているのならばきっと、このくらいは教わっていますね。
昨今になって、多くの方も私が自分自身のブログに色々と訳がわからないコメントや議論がかなり嫌いだとのことはわかってこられました。それもそうでしょう。例えば、皆様が懸命に毎日のように書かれている記事に私は皆様が見解しようとするものを理解もしていないのに、私は専門以外のものに口を出してどうこう言う立場にいないでしょう。ならば、この私の専門分野においても私の見解を議論にかけることはないですね。よりによって、一部の方は俺も俺もと、俺も太極拳の専門家だと言っていらっしゃるようですが、おそれいりながら、このわたくしが研究しているものは世の誰とも異なるものですので、同じレベルのものにされては本当に互いに困ってしまいますね。
ところで、本日のテーマは中国の唐朝の許宣平の言葉だと伝えられています。
原文、
棚捋挤按世間稀,十个芸人十不知。若能軽霊并堅硬,粘黏連随俱无疑。採冽肘靠更出奇,行之不用費心思。果得粘黏連随字,得其環中不支离。
まあ、流石にこれは中国語の原文をこのままアップしてしまうしかありません。無理して漢文調にしても理解できないものだったら逆に誤解を招くのですね。
この三世七に関する見解は、十三勢が如何に難しいと言っています。十人十不知とは、三世七の生みの親は自分自身を含めて十三勢とその延長線上にあるものの習得はおそらく生涯に渡って修行をしなければならないと、そして、三世七にせよ、後の太極にせよ、このような人間の体自体の独特な感覚を得るには簡単ではないことを言っていたと感じております。
わかりやすく言えば、三世七の生みの親でも、当家創始者呉鑑泉でも先代の二人でも、もちろん、この毎日のように偉いことを書き続けているわたくしでも完全に習得できることは有り得ないですね。
入会希望者との面談でよく聞かれるのはこれです。この流派の太極拳を完全にマスターできるのは何年かかるのですかと、それはそれで私は仕方がないと感じています。よそ様の「太極拳教室」では、段や級があり、なんじゃら太極拳を最短三ヶ月で習得できるとか、卒業させるとか、DVDで三ヶ月でも習得できるだとかでも宣伝していれば、私達が練習しているものの習得出来る期間を聴かれるのも仕方がありません。もちろん、速く習得しようとする方々は私のところに来られても無駄ですね。私ですが、太極の三ヶ月で習得できる方法を知っていません。
北海道中国武術倶楽部のお蔭様で私は制定太極拳にも触れることになりました。多くの選手はよい成績を得る為には三ヶ月期限どころか、制定套路を毎日のようにして懸命に練習していますね。それでも、表演での成績の為にコーチの指導の元で色々と動作を校正しています。
まして、伝統太極拳の世界では我々は自分の命、自分のより昇華された生き方として太極を練習していますので、習得という表現は太極にはふさわしくないと思います。
元々、十人十不知ですので、続けることが太極の唯一の希望です。
封建社会では、手抜きしない太極拳は家の中でしか見せません。私は研究会の中で出来る限り、かつての家の中の太極拳を教えております。これは、家の中の太極拳の短縮版です。会員様募集しております。
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