第1712話 空気の流動と振動
- 2020/04/29
- 11:06

昨日から本日にかけて、ウィーン在住のピアニストでいらっしゃる西山 葵耀古先生との夢のような合成共演をしています。
私は亡き父母が音楽家だったこともあって、クラシック音楽が大好きです。先ほどに合成された動画はなんと、西山先生のピアノソナタ第14番嬰ハ短調の名演奏との合成になり、これは私の人生の中でもこれほどに嬉しいことがありません。父は一か月前に他界しましたが、ピアノソナタ第14番嬰ハ短調は父もかなり好きなピアノ曲です。
思い起こすと、3.11後私と妻は保育園をしばらく継続していましたが、計画停電で保育園には電気がなく、明かりがなく、暖房もありません。仕方がなく園児を布団や毛布に潜らせて、オルガンニストの妻があまり慣れていないピアノでピアノソナタ第14番嬰ハ短調を園児に聴かせたことがあります。
今回の世界的な災いは、全世界の人々に被害が広がっています。もちろん、日本国においては3.11以上の試練が人々に襲い掛かっています。今日の食事がない人々、感染されている人々、このご時世で家のない人々を思うと、私は心痛の限りです。しかし、祈るしかできません。個人的には被害の人々の為に募金でもしたいのですが、たとえ、お金を集めても誰に渡せばよいかもはっきりとわかりません。おそらく、見合わせするしかないですね。
ところで、伝統太極拳は音楽必要としていません。もちろん、制定倶楽部も教えている私は郷に入り郷に従えの原則で、表演会の時は自分なりに音楽を付けています。前回の倶楽部の表演会はクラシックピアノ音楽を使っておりました。
音は空気や打撃によって何かを振動させて、その振動が我々の鼓膜に到達し脳で感じるプロセスになっています。絶対音感の人間は僅かに狂った和音でかなりの頭痛が起きます。不自然な音は私達の神経を壊すことさえあります。
素晴らしい音楽は人々の喜びになり、人間は音楽によってリラックスされることは門外漢のわたくしが語ってもあまり意味がないように感じています。
逆に、太極は基本的に脳の絶対的な静粛が必要になります。わかりやすく言えば、脳が空っぽですね。逆に言えば、人間は誰も雑音の世界で生きています。音を聞こえても脳が反応しないのならば、本物の太極の達人になります。
青空教室で練習しているとどうしても風で重心が崩れて今うのですが、私はいつも会員に力で重心の維持をしないように勧めています。いわば、太極は針いの先端で立つような重心が望ましく、羽毛一本が体に落ちても、蠅一匹が頭に詰まっても重心が崩れるくらいに全身の虚実による重心が重んじられています。
更なる上級者は、密封空間で風がまったくない状態で音楽の振動で体の重心が崩れてしまうことになりますね。もちろん、自身の体でその振動まで吸収できるようになります。いわば、人様と推手練習していなくて、空気の振動と推手練習をすることです。
私にとっての太極の理想はこれですね。
これからも会員の皆様と一緒になって練習して参ります。
皆様はもっと、基本練習を続けていただければ幸いです。
封建社会では、手抜きしない太極拳は家の中でしか見せません。私は研究会の中で出来る限り、かつての家の中の太極拳を教えております。これは、家の中の太極拳の短縮版です。
会員様募集しております。
伝統太極は本来、練習する際に音楽をかけるべきではありません。その理由は、耳が脳にかなり近く、刺激的な音や声は脳の絶対的な静粛を邪魔するからです。もちろん、太極の凄い達人ならば、脳が音楽の振動を感じても絶対的な静粛を守り、逆に体内の内勁で音楽による空気の振動と同調して動くことは可能です。
私はこれを目標にして修行致します。
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