第1741話 回転の秘密
- 2020/05/28
- 09:10

なんども太極の実質的なことを話していますが、太極は最も理想する状態としては、全身の骨のそれぞれが道に動けることです。もちろん、この全身の骨の同時に動くことはすべての骨格が単独になれるという理想的な仮想がありますが、成人では骨格のどこかが石灰化になったり、動きがほとんどできなくなったりして、このような骨格が動けない状態では人間の動作が鈍くなることに繋がっています。
世間では、太極拳は骨盤を動くべきか腰椎を動くべきかで騒いでいますが、結論から申しますと人間の骨盤がもしも単独で回転できれば、わかりやすく言えば骨盤と大腿骨、骨盤と腸骨のそれぞれが分離できれば、骨盤を動かしても問題がありませんね。でも、人間の体の中にある一つずつの骨が単独で動くことはどれほどに難しいのかと、これは、人間が本来、四つ足動物から進化してきて、二本足で歩行するリスクを背負うようになっていることがすべての原因になります。
もちろん、人間の骨と骨を分離させるには、一つずつの骨格と関節を徐々に離していくとも言えません。わかりやすく言えば、骨格のすべてが一度に全部離れることができません。
ですので、全身がなんか柔らかくて、これですべて動いているとの錯覚で自分自身はかなり柔らかくなったとの勘違いはいけませんね。人体の骨格を徐々に離れるのは一つずつで行うことが望ましい。
人間の肩や肘、手首や足首はかなり動き易いですので、太極拳の練習の際ではその動きは控え目にするのが望ましいです。当たり前ですね。太極拳の目的は動けていない骨格を稼働させることですので、肝心な割合にまだ動ける骨格や関節からやらないといけません。
ですので、人間の関節の中では、腰椎がまだ見込みがある個所です。人間の腰椎の2と3はもともと若干の回転が可能です。しかし、この若干の回転も近代人のようなだらしない生活や重労働で動けていない人がかなり多いですね。
太極の練習はまず、腰椎が徐々に動いていくことが大事です。
適当に作られた所謂太極拳で腰椎の動きがほとんど入っていないこと、腰椎と骨盤の位置も理解できていない人間が教える太極拳なんかはもはや論外です。
封建社会では、手抜きしない太極拳は家の中でしか見せません。私は研究会の中で出来る限り、かつての家の中の太極拳を教えております。これは、家の中の太極拳の短縮版です。
会員様募集しております。
伝統太極は本来、練習する際に音楽をかけるべきではありません。その理由は、耳が脳にかなり近く、刺激的な音や声は脳の絶対的な静粛を邪魔するからです。もちろん、太極の凄い達人ならば、脳が音楽の振動を感じても絶対的な静粛を守り、逆に体内の内勁で音楽による空気の振動と同調して動くことは可能です。
私はこれを目標にして修行致します。
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