第1769話 万物合太極、一切帰無極
- 2020/06/25
- 11:12

ネットでは色々な偉い文書で無極どのこうので議論しています。なんじゃら呉式では必ずと言ってもいいくらいに道家の文字が出て来ますが、一言、呉式と言っても、一つの適当な太極拳しかできないとか、推手套路も武器套路も何もできないにもかかわらず、近代社会においては古代の武器はまったく必要がないなど強く言っている人もいますが、かりに、この人は呉式の乾坤剣でも覚えているとしたら、それならばそれで自分自身の教える資本として、堂々と高い個人レッスンの料金でも取るのではないかと感じていますね。そういう人達は自身の良心にでも問いかけてみて、私はもしも、乾坤剣や七星剣が出来るのならば、それでも太極武器不要論を口にするのだろうかと、この答えはご本人しか出せないと思いますね。
そして、人々はいつになって、太極の無極を大きな口を開いて喋るようになったのでしょうかと、それは私もはっきりとわかっていませんが、無極という言葉が王宗岳太極拳論の冒頭から出てきたこともあって、この言葉自体はかなり昔からあったことは事実です。
少し前に先天八卦と後天八卦を書かせていただきましたが、一般的な反応は私のブログがわからないとの言葉を大勢いただきました。まあ、近代的な話しではないので仕方がありません。王宗岳太極拳論では、人間の不揃いである太極状態は後からなったものであり、人間が生まれる頃では太極が理想としている無極状態に近いかもしれません。しかし、人間は成長することによって、先天八卦のような不揃い状態から基本的に脱出できることはかなり困難極りです。逆に、当家拳論の中での合太極は人間の全身の虚実がほぼ統一された時点での話しであって、この合太極はあくまでも可能形的な設定しかありません。人間は基本的に全身のすべての虚実が統合されれば、その時に基本的に無極状態だとはじめて言えますが、足を踏み込めば虚実だと言ったらもう論外でしょう。
もう少し結果に攻めて参りましょう。私達が練習している太極拳というものの太極と言う言葉は、無限として、または宇宙として解釈されていますが、皆様で考えてみていただきたいのですが、宇宙万物はいつに完全に調和されている一瞬が有り得るのでしょうかと、私達の宇宙や銀河はバランスがまったく取れていない状態であって、しかし、私達の太極研究の祖先はあえて、太極拳と言う言葉を使っています。もちろん、無極拳ではないですね。
かつての巨匠の幾人は確かに、太極の上級者で絶えず稽古を続ければ、体は無極状態になると言っていましたね。これについては、私は少なくとも4~5人の太極流派の責任者から伺っております。しかし、誰も、俺は無極状態が出来たと言っていませんね。世の中では、一部の人間は「站桩功」が体がまったく動いていないから、無極を練習しているの解釈している人さえいますが、これはただの無知です。太極拳論が言っている無極はまず、色々な拳法としての動きの中で徐々に虚実の統一を揃うことになります。太極修練者は確かに無極状態に近くなれば、体が動かなくても体内の内勁が太極拳の練習の際とまったく変わらなく順調に動き、機能的な動作がまったくなくても相手を動かすことはかのうですが、一部の詐欺者はこの原理をどこかで聞いていて、自称動かない推手を披露していますが、その立ち方だけを拝見しても動かない推手を表演している人の体中に虚実の状態がほとんどありません。どうやって、無極状態になったのでしょうかね。まあ、日本国でいかなる表演をしても、中国国内の狂人格闘家は追ってきませんので、適当にやればよいですね。
人間の体の虚実の統一はそんなに一言で言えるものではありません。常に太極拳慢架を一緒に練習して、一個一個の動作をチェックさせていただいて、コロナで推手練習はしばらくの間に控えるつもりですが、互いに盘手で自身の動きの欠点を磨き、より全身の虚実を統一させていくことは、近道がまったくありませんし、ごまかしも一切利きません。真面目に教える人間の言うことを徐々に練習していくしかありません。
学ぶ人間に対して、あなたは頭が悪いとか、動作がおかしいのでもっと頑張ることへの強要。気合いで力で動作を完成させることや動作を学んだその日に直ぐにこの動作の用法を教え出す人間は、太極拳師範しっかくです。
一部の方が、健康の為に太極拳を練習していると言って、入会してきますが、今こう仕上げていることは一番よい健康法だと確信しています。多くの会員さんはこの練習法で健康に近付きました。研究会で腰椎や膝の調子がよくなった方は何人もいます。
私を含む一人ひとりの日々の努力が、自分自身の健康に投資していると思います。共に頑張って参りましょう。
封建社会では、手抜きしない太極拳は家の中でしか見せません。私は研究会の中で出来る限り、かつての家の中の太極拳を教えております。これは、家の中の太極拳の短縮版です。
会員様募集しております。
伝統太極は本来、練習する際に音楽をかけるべきではありません。その理由は、耳が脳にかなり近く、刺激的な音や声は脳の絶対的な静粛を邪魔するからです。もちろん、太極の凄い達人ならば、脳が音楽の振動を感じても絶対的な静粛を守り、逆に体内の内勁で音楽による空気の振動と同調して動くことは可能です。
私はこれを目標にして修行致します。
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