第1774話 体の反発
- 2020/06/30
- 11:23

特に弱い方ですが、一定レベルの人間にとっての反骨的な動きをさせると必ずと言ってもよい位に我々は自分勝手な動きをします。もちろん、普通に生活をしている人間の誰もこのような反発なんかはわかりませんし、逆に反発が起きていて、体が反発の通りに動いていたら最初は人間の誰も楽に感じますね。新入社員の皆様が誰もいい会社に入社できていて、欧米では更にホワイトカラーと言う専門名詞まで付けられていて、これはいかに会社の管理階級であると自慢さえするわけです。もちろん、毎日のように優雅な仕事環境の中でいいテーブルと椅子を使って、毎日がパソコンを使ってのお仕事ですので、これで多くの若者がこのスタイルの働きに憧れるのですね。しかし、青年が定年に近いところでは必ずと言ってもよい位に腰痛に悩まされるのですね。私達はこのような腰痛を「体の反発」だと言っています。こうこれ以上にこの体勢では体がおかしくなるのですよと言う、体が我々に出した信号の現れですね。若い時は多くの方は筋力の支えでなんとかごまかしているだけですが、人間は少し歳をとると筋力は直ちに落ちてしまうのですね。もちろん、あまり体を鍛えないで長時間の事務仕事をするのならば、たとえ若者であっても腰痛に悩まされるわけです。最近では世界のどの国も腰が痛くなった若者が増えていますね。
私もパソコンの仕事は短くないのですが、今までは色々と工夫をして、腰椎に取っては一番楽な方法を取り入れているので、正直に申しますと私はブログや著作で腰への影響はほとんどありません。本当に助かりましたね。
もちろん、人間の体の反発は腰だけではありません。体の全身が常に反発していますね。私たちは毎日のように当たり前のように歩いていたら、老後の私達は自然と膝が弱くなって、怪我しやすくなりますし、無理に気ままに膝を使うと20代の人間が80代のまったく体を鍛えない人間と同様の膝を持つことも珍しくありません。昨今の中国では昔の太極拳巨匠の動画を見て、近年の太極拳はかなり発展したとか、俺らがかなり難しい動作をしているのでプロだとかと言っている多くの所謂太極拳自選難度選手のほとんどは80代の膝を持っていますね。
当然、多くの非合理的に体を使っているスポーツ選手は膝や体の色々なパーツをダメにしていますね。
太極の練習ですが、まずは自分自身の動きの反発を知ることからになります。当たり前のゆったりした太極拳は今日の世界では当たり前に受けられています。優雅だとか健康だとか、または、いかにして気を集める練習が何故か色々な太極拳教室に取り入れられていますね。ともかく、それらの太極拳のどれをやっても体にとってはかなり慣れている動作や状態が主流ですが、私見では、これならばそれこそ、ゆっくりと山道を歩いた方がよいのではないでしょうか。もちろん、人間はあまりよくない歩き方でも膝を壊すことになります。人間はとにかく、体が自由のママに使い続けていたら、壊れていくのはしからがないですね。太極はもともと、人間の当たり前の動きと異なる動きから、通常の人間とは異なる昇華された体の内面状態までの長い練習をしなければなりません。
私の太極拳教室で教えている内容は、他所様の物とかなり違うことはよく言われますが、これは本物の太極がいかにも我々の世界で伝授されていないことだけです。封建社会の父から子、子から孫方式の伝授の中で、太極の秘密は一般的には家以外の人間にはいかないはずです。百歩譲って、家の中でしっかりと伝授しているはずの太極門子孫は果たして先代のものの教えを理解しているのか、そして、その通りに懸命に練習しているのかで、太極門流派の伝授の質がわかってきますね。
私は太極拳教室の中で用法のことをほとんど教えていません。太極拳の用法は一定の内勁がないと決して理解できるものではないからです。太極は他の武術のように一発が来たら、一発返すとなると、その設定された動作は基本的に他の武術動作よりは効き目が少ないはずです。だって、もともと一発という単位の勝負ではないからです。
先日の練習で私は一人の会員さんに一つの推手手法を教える際に、手法の変化の約10種類くらいに見せたのですが、会員はすぐにこれは中々真似できないものだと賢く認識されましたね。一つの動作のすべてのポイントを技に出来ることは本当に簡単なことではありません。これは、本当に長い間に一つひとつの動作をかなりゆっくりと練習をして、こう慣れば我々の体ははじめてより短い一瞬のすべての技ができるようになります。太極拳のかなりゆっくりした動きの中で、どこかの短い一瞬が技になっていないのならば、我々の専門用語ではこれを断点だと言っています。
太極拳の名付け親である王宗岳が楊式太極拳創始者の先生申し上げた、「起承転接、気沈開合のすべてのポイントの断点を無くす」ことは我々にとってはどれほどの練習を続けていかなければならないとかは、これで少しは理解できたのではないかと思います。
ともに、練習して参りましょう。
封建社会では、手抜きしない太極拳は家の中でしか見せません。私は研究会の中で出来る限り、かつての家の中の太極拳を教えております。これは、家の中の太極拳の短縮版です。
会員様募集しております。
伝統太極は本来、練習する際に音楽をかけるべきではありません。その理由は、耳が脳にかなり近く、刺激的な音や声は脳の絶対的な静粛を邪魔するからです。もちろん、太極の凄い達人ならば、脳が音楽の振動を感じても絶対的な静粛を守り、逆に体内の内勁で音楽による空気の振動と同調して動くことは可能です。
私はこれを目標にして修行致します。
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