第184話 麻婆豆腐と太極拳
- 2016/02/26
- 23:09

大塚同心居にて 東京都 豊島区 北大塚 2-23-2 1F
中国国家級料理技師の親友と色々な会話をしているうちに、料理は本格派や本物よりも、お客様が美味しいと感じるならそれはそれでよいです。かつての中国国内の料理の昇段試験で白い麻婆豆腐を作った料理人がいました。採点の人間は非常に広い視線の持ち主でとにかく、試食しないとこのような常識破りの料理を検定することは無理だと思い、勇気を持って試食しました。おおお、これは美味しいこと…
しかし、考えてみると世の中のどんな美味しい料理にしても人様の好みによってはあまり美味しく思われないケースもあります。中国料理は「京、川、広、揚」を含む有名な「八大菜系」があり、一つの「菜系」は当然のようにその地元の人間の口にあわせるものになりますが、その他の地方は当然のように他の「菜系」の料理を好みとしますね。
まあ、中国国家級料理技師は所謂、「 八大菜系」の基本形はすべてできるはずです。相当の腕前ですね。
41年間に太極拳を修練してきた私は、呉式太極拳しかできません。そして、太極門家元の方のほとんども自分の流派のみを修行しています。稀に複数の流派を何とか兼ねて修練している人もいますが、太極拳という武術は原理はまったく同じのはずです。しかし、それぞれの違う感性による変遷もかなり激しいですし、独特な弱者の武術の高難度な修練法により習得をしていく間に正しい道から反れてしまうことも多々あることから一定レベルまでの習得はあまり簡単ではありません。
よって、太極拳は世界の麻婆豆腐のように様々な形と個性による変遷は致し方がない話です。
しかし、基本的なことですが、麻婆豆腐は腐っている味ではなければ、きっと一定のお客様の口に合うでしょう。太極拳を修練して、逆に膝や腰の痛みが増すなら、あまり意味がないような気がします。
今日の太極拳は、医者選びにも似ていますね。少々の浮気も必要かもしれませんね。
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