第187話 根気
- 2016/02/29
- 14:11

根気、一つの物事を途中で投げ出さずにし続け得る精力。と解きます。同じ漢字の文化を継承する国として、中国はおそらく日本国がまだ言語の形もなっていない時代から同じ漢字の言葉が存在していました。
本日は陳氏太極拳論で言及されている《拳论》の言葉を一例として上げさせていただきます。《拳论》が曰く、「静養霊根気養神」。ここで言っている養霊根は体の基本とのことです。即ち、腎臓のことです。中国の中医学では、腎臓が人間の先天の根であり、人間は生まれ付きの陰と陽の要素が含まれ、私たちの命の原動力であると説明しております。静かな動きと落ち着いた生活様式で腎臓の気の収納と壮大に役立ちます。こうすれば人間の五臓六腑が健やかになり、多くの方がおっしゃっている「内勁」の習得の入り口に立つことになります。
このなら、今日の近代人が「内勁」を習得するにはいかに難しいことであるのがわかりますね。
わたくしは「内勁」を少々習得していると自覚しておりますが、あまり著しい進歩がないのはおそらく、この解釈が原因でありましょう。今日のわたくしの弟子の中で一名の者が数十年の間に一度も怒っていないと伺っていますが、まあ、これでわたくしを超える可能性が出てきましたね。
根気は中国古代大作の「易経」の言葉の一つです。易経の説明では、根気は先天の陰陽の気と説明しています。そして、私は今日の中国語がどれほどの新しい言葉が出てきたのかははっきりわかっておりません。私が知らないところで、「人気」という中国語の言葉が生まれましたね。もちろん、私は「人気」が日本語だったことはわかっておりますね。「根気」もいつかは新しい中国語として現れてくるかもしれません。本当は数千年前の言葉なのに・・・
古代の色々な養生術を研究すればするほど、近代人としての難しさが露呈してきます。平穏な生活様式への修行は太極修練の最も肝心なポイントです。太極は人生そのものであることとの解釈は近代社会でどれほど展開できるかは、今後の太極拳の発展とも密接な関連性を持っているはずです。
太極は多くの方にとっての真の幸せを掴める手段になることを願っております。
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