第1876話 真の強さを知らない世代
- 2020/10/31
- 10:50

中国のWe Chatは全世界で14億の人間が使っているとの噂がありますが、私も一応アカウントを持っています。中国人同士の連絡は大半、このWe Chatで済ませていますね。もちろん、このWe Chatで色々なページもあり、中国では政府機関から民間の組織ごとまでにWe Chatのページを持っていると言っても過言ではありません。うちの本部である上海鑑泉社も宣伝用のページがありますが、今年はコロナの関係で世界がほぼ止まっているかのように、うちの本部のような本当の意味での非営利団体では、特にしっかりとした宣伝も必要がないでしょう。誰々だ亡くなったとか、誰々がまたお弟子さんを取ったくらいの連絡用のページと言っても過言ではないですね。もちろん、今日の鑑泉社の若い理事にしても太極の真の強さ何かはわからないので、真面目に太極について語ることも中々無理です。だって、練習している太極拳を拝見すれば、大体、どれほどに修行をされたのかはわかりますね。もっと、突っ込んだ話しでは、もう一つ上の世代の中でも結果的に太極を教える為の商売として太極を学んでしまうのならば、積極的に十三勢や固有分明などの結果を求めることがありえないでしょう。もともと、太極拳を練習すれば健康になれると言うコンセプトがあり、このような素晴らしいスロガンは誰も簡単に気付くはずですね。やればすぐに健康になれるとか、まあ、真面目な方々ならば一応、毎朝のようにいつもの決まったメニューで続けていますね。それは例えば、私がしばらく師匠の公園教室を代行した頃にすぐ隣にも毎日我々とほぼ同じ時間帯で練習していました。やがて、テープレコーダーが流行り、毎日のように大音量の伴奏で懸命に太極拳を練習していましたね。それは何と40年も経ったところでしかも上海ではなく東京、公民館を借りて練習していれば、すぐ隣の部屋からは40年前の中国の公園と同じ音楽で同じ大音量。違うのは週一回です。まあ、この点に関しては週一回だと以前の私はかなり不思議に思っていましたが、考えてみると世界先進国の会社員ならば週一回の趣味の太極拳教室はごく当たり前ですね。他に月2回の健康太極拳もありますが、近代社会ですので、余暇を潰すには色々な娯楽があり、老後の生活はかなり豊かでこれもまた素晴らしい話しでありますね。
しかし、太極を一つの趣味として、もちろん、多くの趣味で太極を練習する時間はどうしても限られてしまうのならば、結果が出ないのも仕方がありません。
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我々世代と一つ前の世代ではもう既に、中国改革開放を経験した人間が多く、長い間に色々な自由が拘束されていた我々が急に自由になれば、誰も拝金主義に走るわけでしょう。お金があって、楽しい遊びは世にはいくらでもありますと、1980年代前半の東洋のパリである上海はかなり近代化生活への突っ走っていましたね。その時は実際に太極や気功、その他の中国武術をやめた人もかなりいました。同門で商売の為に太極をやめる人もいました。
一方、諸外国は元々自由があって、特に日本ですね。自由世界で中国古代の太極との関連性を探すことはかなり難しいでしょう。よって、太極の変形は致し方がないことです。近代人が武術を練習することは色々なきっかけが考えられますが、自己満足の為、きれいな太極服が着れるから(少し前の日本国の太極拳服は私はあまりきれいだと感じませんが)、流行っているから…少なくとも、本格的に太極で生計を立てることはあまり簡単ではないと思います。もちろん、1970年代やもう少し前では、日本には太極拳教室はほとんどない時代で太極拳を日本に本格的に持ち込めば、あの時代から商売をしてれば一定の実績は残せたと思いますね。競争相手がいなかったですね。高度成長の頃では中国からの留学生も沢山流れ込み、国レベルの制定太極拳も日本には上陸したわけですので、少なくとも今日では太極拳教室で生計を立てることは様々な手段を持ちいらない限り無理でしょう。例えば、私は五大流派の太極拳をすべて教えるとか、沢山の支部を地方に儲けるとか、支部は地元の優秀な学生に任せて、自分は支部からお金を貰うとか…
結果、私はこうすれば儲かることくらいは知っていますね。こう見えても日本では商売についてはかなり勉強していました。大学の入試の頃は経営学と哲学で迷ったくらいに経営には興味を持っていました。しかし、私は太極がもっと好きです。太極の強さの為に人生のかなりの割合の時間で練習に当てています。
太極の強さは、真の意味で練習に打ち込める意気込みと、正しく教えてくれる師との出会いが大切です。
そして、本当に誤解しないでいただきたいのですが、太極の強さは武術目的にしても健康目的にしても、同様に必要です。太極の強さは武術でも健康でも何でもありません。武術も健康もただの太極の副産物に過ぎません。
時々、地元の公民館で練習している他の太極拳グループのメンバーが私に対して、自分たちは健康のために練習しているのだと声をかけてきますが、虚実も理解できていなくて、太極拳の基本動作も滅茶苦茶ならば、果たして健康になるのかと常々感じていますね。太極の真の強さが知らない世代の中国人が世界各国に太極拳をもたらした結果、太極本来のあるべき姿は段々と薄れてきました。中国国内では一部の人間からはもうすぐ太極が世から消えるとの心配も出され始めていますが、ネットでは色々なわけがわからない太極拳理論は今日も出し続けていますね。
本日も百人百色の太極拳教室と競争になると思うと、私はいつも悲しくなります。自分はまったく競争するつもりがなくいつも通りに教えればよいと思いますが、背後や隠れているところでは常に誰かにチェックされていると本当に不気味ですね。
まあ、いいか、本日も会員の皆様と一緒に練習を頑張ります。

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