第1918話 面和心不和
- 2020/12/12
- 12:20

これはもはや上海人の言い回しです。これはいかにも東京以上の都会人的なよそよそしさの表れであり、上海人はまだ独特な都会人の意地と面子のぶつかりがあり、上海人という意識で都会に生息していたら、もしかして東京人以上に常に笑顔で、たとえ同じ業界の競争相手にしてもお会いすればそれはそれは、とても親切であなたは何があっても私は手伝い、危機に遭った時は私が助けますよと、まあ、これはもちろん口だけの約束であって、たとえ、何か本当に大変なことがあっても、助けてくれると言っている人にはお願いしないでしょう。
このように、お互いに同じ分野で競争相手としても基本的にこの分野でなんとか自分独特なものを世に打ち出せばよいわけです。同じ街で目と鼻先でレストランを経営しているとしても、たとえ、同じ上海料理にしても自分のレストランにしかない料理を研究して作ることとどんなことがあっても、もう一軒のレストランが打ち出している料理は基本的にやりません。秘伝の味付けは教えていただけないし、自分がどんなに頑張ってもあの料理のコツがわからない以上、作っても勝てません。逆に憎まれることは避けられないでしょう。ならば、自分の特色の料理を研究した方がよほど得ではないでしょうかねと、都会人の上海人は意外にもかなり哲学的に生きていますね。
私は池袋上海料理の複数のオーナーとお付き合いをしています。同じ上海人だからです。別に近頃からはじまった話ではありません。諸事情で数年の間に大塚の上海料理を手伝っていましたが、現在はまた諸事情でそのレストランの経営から足を洗いました。今まで私はかなりの時間でこの店を宣伝していましたが、その宣伝も丁度、今年度のはじめの頃からやめました。これはあくまでも私個人の諸事情であり、その他に何か特別に説明する理由はまったくありません。これについてはもう何も聴かないでいただければ幸いです。池袋の上海人の集まりは昔から「面和心不和」の原則で動いています。「面和心不和」はもはや上海人の美徳ですね。互いに競争はしますが、おもてでは互いに笑顔で擦れ合う中でおもてだけは平和を保つことになりますね。
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先代馬岳梁と呉英華の二人は若い頃から呉鑑泉の一緒に北京から上海に移住し、かなり長い間に上海で生活をしていましたが、最後までとうとう、上海語を話せることはありませんでした。しかし、あの二人は本当に上海人の心を掴んでいたと思います。あの二人とほぼ同じ時期に他の流派の先生も上海に移住しています。鑑泉社の表演会で公園で練習していたら、その隣では他派の嫡伝と言われている先生も弟子や学生と一緒に練習する光景はよく見ていましたね。
当時の馬岳梁先生の弟子の中で最も強いやつが何度か他派太極拳嫡伝の先生に交流を試みたのですが、他派の嫡伝の先生は応じませんでしたね。それはそうです。その他派の先生も長く上海に住んでいましたので、何故、同業同士が互いに技を見せ合うことになって、手を合わせなければならないのかと、これはいかにも上海人の原則に反する者であって、上海人は如何なる場合でも「面和心不和」でけっこうですと、このような考えで他派嫡伝の先生は当家馬岳梁に軽く話してくださいました。まあ、当家のトップとして、師匠としてはかなり厳しい教育をしましたね。
馬岳梁先生の最終的な言葉はこうです。
「彼らは彼らの練習をすればよい、我々は自分の練習をすればよい、交流する時間があれば、自分たちの練習をしましょう。あなたは完成していないでしょう。私も完成していません。」と、
このように、我々の師匠はこのように弟子らを教育していましたね。これはもはや、上海人の原点であります。
昨今の狂人とか、一部の非常識の人間による腕試しなどの行動に対しては、本当は上海人っぽく、孤高たる姿勢で無視すればよいはずです。
はっきり申しますと、昨今の狂人は上海人ではありません。もちろん、かつての色々な先代の二人にいきなり突っ込んできた人間も全員上海人とは言えません。もしかして長く上海に住んでいたかもしれませんが、上海人の心になっていなければ、大都会である上海の中ではどうしても出っ張ってしまいます。
がしかし、狂人と言われていますので、しかも、日本のトップテレビ局が英雄として宣伝までしましたので、ご本人は同然いい気になっているはずです。ほら、俺は日本で英雄になっているぞと、コロナが終息したところで日本国に突っ込んでくる可能性は多々ありますね。日本という国は正式に決闘を申し込むなどができないので、色々な伝統中国武術の教室に突っ込んでくる可能性があります。私は自分の老若男女の会員を守る立場がありまして、私は実は先日から総合格闘技の研究をしはじめました。
万が一の時にどうやって狂人を倒すのかと、私はBUDOーSTATIONの先生方に頭を下げてお願いしました。もちろん、助けていただくのではなく、私自分で対応しなければなりません。
いい挑戦になったと思います。この歳になって、自分はもしかして挑戦されるかもとなると、慢架の練習も怠れませんし、総合格闘にどうやって太極で勝てる訓練もします。
今年の日本国の伝統中国武術のどこもコロナでかなりの試練を受けました。今後もまた、違う意味で色々と挑戦を受けるかもしれません。国のトップテレビ局は、伝統中国武術にとっての不利な番組を作りました。これからは宣伝がかなり大変です。
頑張ります。

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