第1932話 想推用意終何在
- 2020/12/26
- 12:45

それ、簡単に説明すれば、何のために太極拳を練習するのかってことです。古代の巨匠が残されている太極拳の理論に中でこのような一句がありましたね、私は何度もこのテーマを繰り返し書いて参りました。先週は中国河南省の文化観光庁で太極拳の世界遺産登録に成功し、ほぼ同時に私の本社である呉式太極拳鑑泉社の中国非物質遺産登録もはっきりとした形が見えて来ました。今日の中国は、私が信じられないほどに色々な行政の仕事が真面目です。今回の新たに非物質遺産に登録の審査を終えた種目は先日、国家のホームページで公になり、鑑泉社が申請した呉式太極拳も含まれています。もちろん、いかなる個人も団体もこれに異議があれば、直接投稿することができて、よって、その種目への再確認が行われるようになります。中国政府が定めた20日の政府の勤務日が法的な期間になります。20日が過ぎて、何も異議がなければ、現在では申請がかなり難しくなった非物質遺産の申請は成功します。
私は非常に小心者であって、今朝も当家掌門の馬文钊氏と長い会話をしました。私の心配事はどこかの上海以外の地方で我々の非物質遺産申請を不服し、自分達が本流であると主張するのではないかと掌門に伺ったところ、馬文钊掌門師兄はいかなる形の太極拳も世界文化遺産になったので我々が申請成功すれば、呉式太極拳のいかなる支流も国家の非物質遺産になってしまいます。世界文化遺産のようにすべての形の太極拳が含まれていますね。呉式太極拳は結果として鑑泉社が一番実力と実績を残していることで申請に成功しましたが、他の支流の呉式太極拳を非物質遺産ではないとの見解はとうていできませんので、我々鑑泉社の申請を邪魔することは有り得ないだろうと説明してくれました。これで私も一安心ですね。
では、我々は何故、太極拳を練習するのかという本題に戻ります。
原文、想推用意終何在、延年益寿不老春
私は一人の日本文学の専門家に尋ねたところ、かなり納得できる漢文を作ってくれました。
推敲(すいこう)と用意(ようい)ことごとく思(おも)って終(つい)に何(なに)が在(あ)らん
延年(えんねん)となり寿命(じゅみょう)を益(えき)し不老春(ふろうはる)となす
これほどに熟している漢文であれば、誰もご納得できるのではないかと思いますね。このように先人の方は色々と書き残されていって、私達は本当は太極拳論や太極拳経を何度も繰り返し読まなければ、太極への感覚はどうしてもずれてしまうことへの気づきは実は私も太極を練習して30年経つところではじめて感じました。人間はいかに弱い者なのだと、私は太極を練習して30年でやっと体で理解できました。
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太極の世界文化遺産登録と呉式太極拳の中国非物質遺産登録のほぼ確実になったニュースは、日本で毎日の暗いニュースからの深い不安、そして、小心者の私は日本国のトップテレビ局が中国の狂人格闘家を英雄扱いしての番組は三度も放送され、偽物太極拳をことごとく潰す行為はいつかコロナが終息後に我が太極拳教室にも及ぶことを恐れて、自分は一応、生徒さんを守る立場の人間でまずはいかに素早く110番とか、自分は万が一手出されるとどう総合格闘技の狂人を抑えるなど真剣に考えていました。Buso-stationの格闘技の先生にも色々と伺うようにしましたね。武術を研究することは太極門嫡伝の私の責務であり、これについてはまったく後悔がありません。12歳で国の動乱の中で学校のいじめではじめた太極、子供の頃では世の中のすべての人間に勝つと、そうすれば僕をいじめる奴はいなくなるなどの考えもあったので、自分は太極拳を一生涯の武術にするつもりです。しかし、私の教室はそれこそ今回の世界文化遺産では言及しなかった太極拳創始者の張三豊祖師が熱望していた老若男女の誰でも練習できる拳法であり、私の教室も実際に体の若干不自由な方、大病したことのある方、今でも太極をリハビリとして体を回復している方、あまり力があるとは言えない女性の方がいます。すべての太極を練習している方が完全に病気の回復をしたことはあり得ません。人間は常に何かの病気にかかっているのが普通です。しかし、太極を信じて懸命に練習している人間は基本的に総合格闘技と無関係です。太極拳の世界では確かにペテン師が多いです。ペテン師はすべての業界にいます。狂人格闘家は自分の業界でトップになったのでしょうか。狂人は自分の業界の中でペテン師ではないことをまず証明しましょう。
武術は鍼灸のような国家免許がない限り、ペテン師は当然のように存在します。鍼灸も後進国の国家免許を所持してもペテン師とあまりレベルが変わらないことも確認しています。一言のペテン師が多くなったのは、それには自由国家が人々の体と精神に害がない限りの自由の保障がそもそもの原因です。日本国は昔から自由の国です。日本武道は今日になって一人が一つの流派まで発展して来ました。中国も1980年代初頭から改革開放がはじまり、太極拳教室も一晩を過ぎれば急に沢山現れることには先代の二人も本当に驚いたのです。
今回の太極拳世界遺産登録の文書には、いかなる研究も如何なる民間の組織も、学校もその他の教育機関もすべて含まれています。私も一時は少し納得できませんでしたが、太極門の嫡伝の私が民間太極拳の練習内容などを気にしていて、しかも、今回の世界文化遺産には含まれていない中国以外の町の太極拳を気にしても仕方がありません。レベルの低い太極拳教室は中国にも沢山あります。中には目の前に立っている人間は誰であるかも知らずにして、太極拳の嫡伝の人間と同等レベルの会話もします。こういう話はもうさすがにうんざりですね。
我々は、嫡伝であれば、どれほどの人体作業をしなければならないのかを常に思い出すべきです。
想推用意終何在、延年益寿不老春
このような高い目標を抱えているので、狂人と付き合ったり悩んだりする時間はありませんし、街角太極拳教室が教えている内容を気にする暇もありません。
自戒いたします。
年内は本日の明日のレッスンがあります。ご連絡くれれば、見学は可能です。一緒に練習しましょう。

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