第1975話 価値と相場
- 2021/02/06
- 11:32

このような露骨なテーマは今まで書いた記憶がありません。よって、本日は本当に短く書くつもりです。長い文章はこのご時世では本当に似合わないですね。
日本国の工芸品の一種類で純金で小さい金槌で撃ち続けてやがて一つの小さい壺が出来上がるという職人芸があるようです。これは逆に、私は中国人の富裕層から伺いました。知人の富裕層の者は日本人はこれをただ金の値段で売っていると言っていましたね。金槌で加工した値段はおそらく純金の値段と同じくらいと、これは中国人の評価ですが、しかしおそらく、今までの倍の値段で売ることは日本では売れないでしょう。何故かというと、相場があるからです。
来日の頃、私も一応市場の調査をしました。一部の太極拳教室はままの値段になっていましたが、それでも世界先進国としての金額には相応しくないと感じました。太極はもっと評価されてもよいと素直に感じました。
当時の先代の二人は、その限りない善の基本で門下のお月謝を全面的に免除していましたが、実は、あまり太極の価値に合わない月謝をいただくと、巨匠が自ら太極の相場を低く作ってしまう恐れがあって、太極を担う人間とすればこのようなことはどうしてもできないと思いますね。実際、当時の海外の学生や弟子は平均で中国人学生の15倍から20倍の月謝を支払った際に、二人は普通にいただいたと伺っています。先代は唯一私が差し出したお金を受け取ったことがありました。あれは私が来日して4年経ったところで帰郷した際に差し出した日本円の二万円でした。彼らからすると二万円は当時の中国人が払えるお月謝の8倍くらいだったそうです。まあ、それでも、あなたは、おばあちゃんとご両親にはお金をあげたのかと何度も聞き返ししてから、ようやく私の二万円を受け取りました。これは、先代の二人の価値観だと私は感じましたね。
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8年前に現在の研究会を立ち上げた際に、私はこれからは貧乏人になることを覚悟いたしました。連盟を立ち上げて本当の商売人のように組織を拡大すれば、商売としてはうまく行くと思いますが、しっかりと伝統を後の世に残していくことは困難です。
私は、太極を教えた以上は、自分自身が金持ちになるよりも嫡伝者としての責任をもっと重んじていかなければ、本当にバチが当たると思いますね。
太極の本来の伝授を受け継がれている者は本当に少ないと思います。よって、本来の太極の価値観も近代の人々は中々理解できないと思います。
同門の一人は懸命に中国の富裕層に太極を広げて来ました。もちろん、いただける月謝の額は相当よろしいでしょう。それでも、太極は多くの方に伝わっていく、伝授されていく面においては私は平等に思います。当然、教える立場の人間の太極に対する理解や悟り、どれほどの正しい修行をしたのかで伝授の質も変わります。
私は自分の門下に色々と無料のレッスンを提供しています。もちろん、私はアホではありません。私が提供したレッスンは価値ではかどることをしないようにしてほしいからです。
太極の伝授は本来ならば無償であるべきです。私も若い頃はいつかは大金持ちになって、老後は自分の家で無償で太極を教えるという夢を持っていましたが、それはとうとう泡となって消えていました。とても残念です。
よろしければ一緒に練習しましょう。このような私が教えています。もちろん、有償です。

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