第2024話 2021年3月26日
- 2021/03/26
- 10:36

懂勁とは何かを聞く人は日本ではかなり少ないです。これは、改革開放後に大勢の来日した中国人が色々と太極拳を教え出すのですが、どちらかというと、かなり適当に教える人間が多く、「発勁」とかの少し具体的な言葉は流行っていますが、体の状態がどうなることから来る言葉は日本人も中国人も、特に近代人の中では流行ることはあり得ないでしょう。
懂勁、これは人間の体はどのようになったのか、人間の体の死にかかっている部分は少しでも復活することになります。人間は自分自身の骨格の動きをしっかりと感じることもあれば、場所によっては骨格自体が動いていないこともあって、動きを感じることは基本的にあり得ないです。少ししか動いていない骨格ならば、自分自身で動きを感じることもなかなかできません。自分自身の骨格と関節の動きを感じていれば、人は多分、毎日の歩行の中でなんとか腰椎を回転させて、たとえ僅かでもいいので、毎日の歩行の時に少しでも骨盤の捻りを少しでも軽減して、こうすれば、人間の膝は自然と長持ちになります。人間は自分自身の骨格や関節の動く感覚がいかにも鈍いので、実際ほとんど動いていなくても自分自身では感じていないことがかなり多いです。
太極の懂勁は、意外にも何かのかなり多く深い秘伝のようなものではありません。太極の懂勁は自分自身の封じられて、ほとんど失ってしまった感覚を蘇らせ、その感覚によって、我々は少しずつ自身の死に掛けている骨格と関節を少しでも稼働させていくことが懂勁の入り口と言ってもよいでしょう。人間の根本である骨、人間の重心を司る骨と骨の間に内勁が届いていなければ、気は丹田に集まることができると適当にまったく何も根拠がない夢想でいくら練習しても結果は出ません。
人間は一番肝心な骨格がちょうど、人間の直立歩行によって、骨格がほとんど動けなくなっています。この最も肝心なところの動きは練習によって感じることはすべての懂勁のはじまりになります。
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私たち教室では、膝が壊れかけている方もいれば、今まで色々と無理して膝の調子が悪い方もいます。もちろん、自然状態で一定の年齢になれば、膝は自然に弱くなって、あまり思う通りに動かない方もいます。
今まで、骨盤の捻りだけで人生を過ごしてきた方が私のとことで3年ほどに練習して来られて、今になると以前よりは骨盤を止めて太極慢架練習できるようになりました。もちろん、これで体の回転のほとんどは方や胸椎になると私は判断しましたね。これは当たり前です。人間は、腰椎が単独で動けるには何年もかかるはずです。学生の一人は三年ほどで今は太極拳慢架を40分ほどに練習しても膝は痛みがなく、代わりに腰の一定の張りを感じるようになりました。もちろん、腰椎の痛みはありません。こうは健康的に腰を動かしたことになりますね。もちろん、これで腰椎の単独な動きができることではありません。
太極は、一箇所に一箇所の虚実を持つことが大切です。膝には膝の虚実があって、腰椎は腰椎の虚実がありますね。骨盤も一枚の骨ではなく、二本の骨としての虚実が実現できるはずです。この私は33年間ほど練習してこの虚実をなんとかしています。
人間は、器用な部分で体を動かし続けてもいつかは衰え、若い頃に器用に体が動けても一定の年齢になると色々と体の故障が起きてきます。
体全体の虚実を徐々に作っていけば、これで人間は基本的に健康体になります。
一箇所の骨格が石灰化になれば、人間は全体的なアンバランスが起こり、石灰化や変形が多ければ、人間の五臓五腑も病変になる可能性が増えます。これが、道の医学です。
導引術とかの表現は近年に改革開放によってできた言葉ですが、人間の健康はまず、骨格の健康の稼働範囲を増やすことが大切です。
武術の強さとしては、太極はすべての骨の一本ずつが単独で動けて、すべての骨が単独で発勁できる理想を抱えています。
これは、人類にとってはほぼ不可能ですね。
ですので、太極は十人十不知という言い方があります。

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