第2117話 2021年6月17日
- 2021/06/28
- 01:21

本日も朝から少人数で色々と練習しました。教室ではいつも年齢差を気にしながら同じ内容を程度の差を付けて教えています。もちろん、年齢や体の状態で練習できない呉式太極拳の内容もありますが、誰でも練習できる慢架の練習は基本的に年齢も、目的も…もちろん、健康の為にも武術の為にも我々は実際にまったく同じ慢架を練習しています。慢架は太極の基本中の基本であり、太極の内勁は基本的に慢架の練習をするしかありません。呉鑑泉先師の慢架への思いは私は何度もネットで話していますが、先師の見解は今になって、世の中では多くの人がまったく正反対の解釈を繰り広げられていますね。
静、軽、慢、切、恒。これは慢架の練習には欠けてはならない最も重要なポイントです。頭は何も考えずに、全身の筋肉はできる限り動かずにして、こうすれば、ゆっくり動くことは必然的になりますが、太極慢架の正しい動作はなるべく維持できるようにして、出来るならば太極の練習は定時定量が大切、もちろん、毎日のように練習することも大切だと、この五字はこのように解釈すれば良いです。
呉式太極拳には快架という練習があります。馬岳梁が勝手に作ったものではなく、呉鑑泉先師が道の中で習得したまったく異なる形です。これは、呉鑑泉先師が多くの弟子にはあまり教えていなくて、実際に難しいところでは太極の動きは筋肉ではなく、出来る限り骨が動くのが望まれることもあって、快架は一定の「意」の使いからと、一定の内勁の習得がしていないと、基本的に練習することはかなり難しく、太極としての結果もほとんどありません。
快架、これは、静、軽、霊、切、恒という基本を守っての練習になります。人間は骨格だけが動いて、筋肉がほとんど動いていない状態で、それでも、「霊」を守ることは当然、至難の技です。
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そして、呉鑑泉はとある日に一人の弟子に聞かれ、先生、私は全然上達していません。あとどの位練習すれば上達になるのかと、本当に焦りを見せたのです。
呉鑑泉の答えは、練習ですか。一生涯ですよと、まあ、当たり前です。私も今後、出来る限り面談の時に希望者に伺いたいと思います。どのくらい太極を練習するつもりですかと、はっきり言って、2年3年とか、7年8年とか、当然、なんとか太極の練習を積み重ねてきたにもかかわらず、急に辞められても本当にもったいないですね。私の研究会に通っていた生徒さんは辞められても実は一人で練習しています。おそらく、お月謝の節約を考えたのでしょうが、間違っている練習をされるだからこそ、本当に一番恐ろしいです。先ほどに申し上げた「切」は、正しく太極を練習すべきです。しかし、多くの民間太極拳は現在、本当に多くの人が適当に練習して、太極勁を適当に解釈しています。悲しい限りです。
呉鑑泉先師はさらに、焦る弟子にこのように話しています。
太極拳の練習はおおまかに分ければ五つの段階になります。
これはつまり、心静、身霊、気斂、勁整、神聚であります。
慢架の練習は先ほどに申し上げましたが、一番最初に大切にしているのは、「静」であります。では、初心者で慢架を練習している人間であれば、心(脳)の静けさは当然の様に大切になるです。
次に、呉式快架の中に慢架の5文字と唯一異なるのは当然、快架ですので、「慢」はあり得ないですので、「霊」、つまり、「周身倶要軽霊」の霊になります。略して、「身霊」です。快架がまったくできない偽呉式太極拳伝人はこの「霊」を語る資格はないと思いますが…
そして、慢架と快架を何十年も練習することで、基本的に気が徐々に骨格と骨格、関節と関節の間に集まり、徐々に気の動きを自然とコントロールできる様になれば、太極練習の楽しみも得られる様になります。もちろん、「気斂」は一部の骨格はあり得ません。恥骨結合、仙腸関節と骨盤、腰椎と腰椎、胸椎と胸椎と言った人間の骨格の中でもほとんど死にかけている骨格と骨格の間にも気が充満するようになります。この段階までの難度は、皆様のご想像にお任せいたします。どうぞ、想像してみてください。
やがて、我々は本当に自由自在に内勁(気)を使えるようになれば、これで本格的に太極勁は使える様になります。いわば、太極勁は整えたと、「勁整」、これはまず、太極の基本内勁である十三勢が整えたことになります。もちろん、13個の動作ではありません。
最後の段階の「神聚」ですが、お釈迦様がこの世を去る前に涅槃を悟られたの様に、太極の修練も同じです。おそらく、正しい練習をしていて、かなり高齢になった時点で稀に、太極修練者の体にまるで神が宿っているかのように、太極の最高レベルである「三陽開泰」レベルになります。伝説によると、その時の人間の頭蓋骨は赤ちゃんの様に内勁によって4枚に別れ、人間の全身もまるで生まれたばっかりの赤ちゃんの様に信じられないほどに柔らかくなるそうです。太古の昔では、この状態では人間は不老不死になると信じていますが、人間の死亡率は100%です。私は生涯、「三陽開泰」(神聚)に到達された太極拳巨匠には出会っていません。
このような解釈はいかがですか。かなり難しい説明ですが、じっくり読んでいただければ幸いです。
研究会のすべての教室で本日の解釈のままで説明しています。お待ちしています。

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