第245話 太極で強くなる方法
- 2016/04/25
- 01:16

あくまでも健康ならば、太極で強くなることも勿論、必要がないです。競技の際に用法を考えるのですが、実践と全く無関係ならば常識的に用法とは言えません。用法なら武術との関連性をなくしてはなりません。
昨今の世界の太極拳で実戦に挑むと必ずと言ってもよいほどに「発勁」に至りますが、たったの数十年前では今日の最も発勁をする太極流派の巨匠も「柔化」のことを非常に大切にしていました。なんという幸いなことでしょうか私は手を合わせたことがあります。その手は今日の呉式太極拳の推手よりも軽いものでした。
ならば、太極実戦は必ずしも発勁をしないと成り立たないわけではないようですね。そして、私たちの呉式太極拳は発勁がないだろうかというと答えは違いますね。
太極は本来、戦い相手が絶対に気付かない弱点から入っていくべき勁路での戦闘法として知られています。勿論、このような弱点から入れば、指一本でも相手を動かしてしまいますね。これは、太極の専門用語では、「四両抜千斤」と言っていますが、実際に相手の最も見抜きにくい弱点を知れば、「四両」という重さまでも必要がないかもしれません。
こうなると、人の最も分りにくい欠点を把握する為には何をすれば良いでしょうか。私たちは自分自身の体の敏感度を上げることで頑張っています。戦う相手と触った瞬間に相手の体のどこかに不合理な動きや勝手に動いた結果としての隙に自分自身の体がぴったりと素早く合わせていれば、相手は自ら重心を失うはずですね。まあ、このように簡単に申していますが、実際にこのレベルまでは数十年の厳しい修練が必要です。
そして、もっと高いレベルで相手が見せた隙への合わせは、体の一部分での追求とは違い、腰や腰椎の動きによる合わせ技になります。こうなるとほとんど触っていない状態の中で人を浮かすことが可能になります。太極勁の神技の一つとして知られている「凌空勁」も実はほぼ絶対的な「不頂丟」によるものです。
私たちの毎日の推手練習はこれを目指しております。
よろしければ、ご一緒に練習に加わりましょう。
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