第276話 全体大用意为主、体松気固神要凝
- 2016/05/25
- 00:51

太極の世界では、「用意不用力」や「以心行気」などの表現をよく使われますが、意や心の解釈のばらつきは信じられないほどに幅広いです。
今日になって、太極全体大用訣のような難しくて面倒くさい拳論を語るのも珍しいでしょう。
中国武術の意に関しては、古代から色々な誤解を起きてきました。これは、古代中国の封建社会体制によるものです。色々な分野において技術や文化の伝授は親から子への受け渡しになります。よって、素晴らしい伝統文化遺産の喪失は避けられないでしょう。
しかし、文化遺産がどんどん失うことはどの国もどの民族においてもも心痛の限りです。武術の世界ではなんとか世界に広げていくことを好めば、自然に制定種目の台頭が始まります。アジアには沢山の武術が存在しており、制定種目の量産も避けられません。
家元制度ならば、その秘伝が制定種目の専門家へ受け継がれることも少ないと思います。逆に、制定種目の専門家が希望され、家元も開放的であれば、今日の制定と伝統のこれほどの大きな遊離はありえないでしょう。
本日のテーマは「太極全体大用訣」の最後に、「全体大用意为主、体松気固神要凝」と記されています。太極のすべて使い方は「意」が一番大切です。脳を雑念から遠ざけたら、体は力まずにしていれば内勁もしっかりと養われてきます。これがこの一句の意味になります。
わたくしの研究会も時々、公開レッスンをいたします。多くの体験者が当研究会で教えている推手が意外と軽いことでびっくりしているようです。中にはこれが太極拳ではないと疑う方もいます。しかし、太極拳が「四両抜千斤」が基本ではなかったのでしょうか。
当研究会は僅かに触っている推手を練習しております。これはいつか、「引進落空」と「四両抜千斤」が習得できること前提とする唯一の練習法です。
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