第2754話 2023年5月23日

太極は難しいだろうかと言われれば、確かに簡単ではありませんが、太極が簡単ならば世の中には太極の達人ばっかりではないでしょうかと…まあ、確かに今の世の中で太極拳の達人は増えましたね。力いっぱいで人を倒すのも、相手の関節を決めて怪我をさせる人も太極拳の達人です。規定套路などでは長拳南拳で怪我でもでもすれば、格下げして難度動作のない太極拳に転向することは世界の色々な国で起きています。太極はいつから文化からスポーツになったのかは私も本当にわかりません。

楊式太極拳の初めの時代、呉式太極拳初めの時代、武式太極拳初めの時代からははそれぞれ、拝師弟子が師匠から離れることは稀にあります。もちろん、そんなに多くいません。普通は心を決めて、太極に惹かれて入門するのではないかと思いますね。太極が好きではないならば、何故大袈裟に入門するのではないかと、まあ、昔は基本的に入門しないと太極は教えていただけませんでした。
中国は近代化が進み、改革開放あたりからは再び、各流派が拝師式を再開して、志を持たれている方には入門するチャンスを与えられるようになりました。呉式太極拳の場合、昨今の上海鑑泉社では拝師を希望されても師父があまり許可していないことが事実です。
今はいかに、入門できることが貴重です。

太極は文化であり、スポーツではありません。スポーツとして練習するならば、いつかは体力が落ちるならば普通に引退します。ドイツのAリーグで40歳近くになってもまだ現役を続けている長谷川誠選手は本当に凄いと思います。ドイツのチームは欧州の中でも体が大きくて、アジア仁選手の体では元々不利ですが、それでも、40歳近くまで懸命に頑張っていますね。

ところで、太極は文化です。太極は強くなることもありますが、太極は基本的に健康を維持するくらいのつもりで練習しないと決して強くなることはありません。
太極は人間の体を少しずつ修正するわけですので、いきなり凄い内勁ができるというわけにはいきません。人間は自身を修正することは簡単ではありません。
昨日は、私達の教室で四人目の医者の方が一緒に練習しはじめたのですが、腰椎の回転の時に普通に頚椎の牽引で行おうとしましたが、私は腰椎だけの回転をお願いしました。医者の会員さんは、これは普段の動けていない箇所の動きの練習である認識をされました。
太極はわかりやすく言えば、このような訓練になります。
呉式太極拳上海鑑泉社東京授権点新規会員募集中。一緒に練習しましょう。