新天方夜譚物語第３話 落ち着き

呼吸が安定すれば当然、人間も動物も体の落ち着きが取り戻ります。武術もスポーツも、どの分野に於いても落ち着いている状況の中では、通常以上に一人の人間の実力が発揮できるようになります。
しかし、この世の中ではわざと騒音を出しながら、ストロボを焚きながら…または、励ましのエールを必要以上に送ることを好みます。
有名な元女子レスリング選手の有名なお父様は、そのお嬢様の試合がはじまると同時に、試合のリズムにも合わせないで、とにかくもの凄い大声で叫びますね。そのお嬢様はかなりの実力者でありながらも世界大会で一度も金メダルを手にしたことがないです…
日本では武術と武道の試合でもかなり声を出す方がいますが、例え、特定の選手に対する応援にしても、他の選手には妨害になっていませんでしょうか？
そして、応援されて実力以上に発揮する人間もいれば、その逆のケースで「落ち着き」がなくなり、本来の実力が十分に出し切ることができないままで終了してしまうこともあります。
世の中に太極拳という養生術があり、本来は試合などに出るものではなかったです。そして、人間の体内の各種のエネルギーを調和する作業の為、太極拳は絶対の静けさのみによって、心身とも落ち着きに預かることができます。
当然、このような基本的な周囲環境が守られていないなら、太極拳を練習してもほとんど無駄でしょうね。勿論、僅かなスポーツ効果はあるでしょう。
私達の日々の生活の中のどの分野に於いても落ち着きはもはや、我々人間の本来の最低限度の基本スタイルに過ぎないです。
でも、「落ち着き」をし過ぎても人体によいことがあるのかと聞かれていたら、必ずしもそうではないと答えるようになります。落ち着き過ぎて、無言を通す方はアルツハイマーになりやすいです。特に老人です。逆に若者の場合は落ち着き過ぎると精神疾患に繋ぐ可能性も非常に高いです。
「落ち着き」があり溢れても、無さ過ぎても人体にはあまりよくないでしょう。これは、人間が他の動物と違って、非常に繊細になり過ぎたおかげでもあります。
言い換えれば、人間が必要とする落ち着き度は非常に複雑で、それぞれの現場や施設では中々統一できないことが今日の現状です。
でも、落ち着きは人間が言う言葉として、いかなる特殊な意味がありますでしょうか？
取り敢えず、落ち着いて寝ましょう。