第334話 虚無渺茫
- 2016/07/22
- 00:33

【太極拳講義】では、将展未展、似開似合の太極勁上級状態をこのように申しています。
機者、陰陽未分、虚無渺茫、謂之機・・・
太極拳理論は、中国語を母国語にする人間でも中々理解できないことで知られています。太極基礎理論では、陰陽が分かれていない状態を無極と言っていますが、このような文書を読むと多くの方はきっと、最上級の太極勁は無極状態とでも簡単に説明してしまいますね。
実際のところでは、陰陽が分かれていない無極状態は太極勁の最上級ではありません。太極勁の上級者ならば、陰と陽の転換がはっきりと示さず、人体の機能的な動きがほとんどなくても一瞬にして陰陽を変えることができます。所謂、虚無渺茫です。
太極巨匠王宗岳先祖が曰く:転換承接、気沈開合の間に断点を一切見せないべし。
かつて、多くの先人が生涯をかけてこの目標を目指していました。これは、陰陽の接続でいかにスムーズに行われるかの修行です。
これからもこのような太極理論をご縁がある方に分かち合って参ります。
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