第365話 完成
- 2016/08/22
- 11:53

人間界では、何事も完成がないのが常識です。
丁度、リオ五輪は本日で終了しますが、採点の是々非々はまったくないとは言えないでしょう。民族間の理不尽なこともありました。
採点に関する不平不満はいつの時代もありましたね。速さや重さで勝負する種目はまだいくらか文句が少ないようです。
人体を使ってのすべての動きはいつの時代もいかなる場合も完成ができないものです。
今日の私の研究会では、太極修練をする目的はそれぞれ違っていますが、本当に多くの方が武術として取り組まれています。
昨日のレッスンで一人の者が私に、「最後のところ、間違いました」と告げたのですが、
私の答えはこうでした。「最後のところだけではなく、最初から色々なところが完全ではありません」
武術は本来、人間の体の限界との調整になります。
太極は特に感覚と人体の欠点や隙の矛盾を調和する分野であり、完成を望む気持ち、勘違いした完成・・・俺は何十年もやったから結構できると、このような気持ちに少しでも偏っていれば、その時点から太極から離れています。
その他の武術は太極ほどに感覚の修練がないものの、自慢で自分自身の修行を止めれば、人体の衰弱は激しくて本当にあっという間に弱くなってしまいます。人間界では永遠に完成がありえないです。太極もこのような簡単のようで難しい哲学を守っていなければ、何のメリットもありえないです。
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