第372話 用法か勁路か
- 2016/08/29
- 10:22

武術であれば、当然のように用法がなければ成り立ちません。
用法とは戦う相手をなんとかすることです。これは、武人であれば、誰もが同じ答えを出すはずです。
勁路について語る者は少ないです。個人的には勁路の習得の難しさに心が折れそうな時もあったのですが、この年になって少しは神経がづっ太くなったことがせめての助けです。
当然、勁路を語っても合理的な修練をしていなければ、決して理解できないです。
そして、勁路に習得については個人差と個々の健康状態によってかなりばらつきがあります。
幸いなことに、私の今日の会員さんや弟子の皆さんはそれぞれ、勁路への理解を深めてきたことを感じており、皆さんの進歩も確実に感じています。
勁路はわかりやすく言えば、一つの用法を数百個ないし数千個の用法に化けることです。
軽く触っただけで浮かされた感覚、ありえないところで重心が失われた感覚・・・知らないうちに身動きが取れなくなった感覚・・・
もちろん、このような感覚は簡単に習得できるものではありません。
弟子の一人は私に、難しいからやり甲斐があると話してくれました。
しかし、合理な修練法も大切ですが、私が感じている勁路の難しさは、人間の心の豊かさです。
楽しく修練をしましょう。
人生も同様ですよ。
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