第396話 太極の虚
- 2016/09/22
- 00:55

今日の世界のどの太極拳も虚の領域には至っていないような気がします。もちろん、当派も同じです。
はっきりした直線の動きやスピーディな動作による推手はいかにも流行っていることはこれを語っています。
昨今、私は教室の推手練習で「喂勁と修正」を行っていますが、これは実際に太極の虚の境地に関連しています。
喂勁の中では、直線にかなり近い進路で相手には直線との認識をさせた上での僅かなカーブによる虚の境地は、正確な内勁の一定のレベルまでの境地が必要です。
当然、喂勁で隙や断点を見せてからの修正ですので、もっと高度な虚の境地が必要になりますね。
少し専門的かつ古典的な見解からすれば、虚の境地は、十三勢の訓練と十三勢拳の訓練、それを人の体を触った上での推手との実践を経ていかなければ、決して到達できないです。
そして、今日の世界では、十三勢についての解釈もかなりまちまちで、太極の分野の中で交流して何かを共有することはかなり困難でありましょう。
基本的に、求道者の方がご納得すれば、それでよいと思います。
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